亀は意外と速く泳ぐ (2005)
»掲示板
目立たなければ、なのか/★☆
2005/08/30
by
最大素数
亀は鈍足の代名詞みたいなものですが、泳ぐ速度も「鈍足」かどうかは別な話しのはずで、例えば海亀の泳ぐ速さは最高で80km/hを超えることもあるらしいのです(未確認ですが)。無知に居直っているだけでしかないのに、意外感を醸しているつもりらしい本作の題名に引っかかり、観ることにしました。
いや。この題名には、速く泳ぐことを「意外」と言ってしまう発想に潜む傲慢さに無自覚なメンタリティがよく現れていて面白い、と言うべきかも知れません。
メインの題材の主たる属性を亀的ノロマとし、環境とか周辺事情の変化によって普段は現れない(有能な)属性が顕著になることがあるが、「適切な環境」ではないときとか「周辺事情」が変化しなければ、「亀的ノロマ」とは「普通」ということに他ならない、というあたりが本作のコンセプトのようです。ま、ごく当たり前の話しではあるのです。
「脱力系」と銘打っているわりにはやたら普通ふつうフツーと大声で連呼し、相当「力」はいってました(笑)。
とは言っても、単に大声で繰り返すだけで「普通」の中身に踏み込まない、踏み込めていないヘタレ具合は確かに「脱力系」と言うべきなのでしょう。
「普通」のアンチテーゼとしての「スパイ」という着眼は面白いと思いました。
が、“普通とは目立たないこと”に執着するだけで、結局そのアイディアを生かせなかった様に思います。
「普通」に関しては既に秀逸な考察を知っています。
昔。人気絶頂のアイドル「キャンディーズ」が解散するときの名台詞「普通の女の子に戻りたい」を踏まえての小話です。
普通の女の子A「普通の女の子に戻ったらどんなことを思うのかしらねえ」
普通の女の子B「どんなことをしてもアイドルになりたいって思うに決まってるわっ」
この小話を踏まえて言えば、本作の拘り「(普通とは)目立たないこと」は、「目立てない」から「普通」なのだ程度までは踏み込まなきゃならなかったと思います。(念のため言っておけば、この小話のキモはそこではありません)
それはそれとして。
ヒロイン片倉スズメの上野樹里、まだ19歳でしょ(撮影当時は18歳だったかも)。“十代の主婦”って、それだけで結構珍しいんじゃあないかしらん。つまり、「普通」の存在では無い筈で、なので、普通ふつうフツーと言い募るたびに、なんでスズメのフツーではない存在自体に突っ込まないのか、触れようとしないのか疑問を感じていました。
ひょっとすると、それが「普通」騒ぎのオチになるのかいな、なんて考えたりもしてしまいましたがね(笑)。
どうもこの監督、(本作を見る限り)「対象」についてあれこれ考えるとか、なにか拘ってみるとか、踏み込むとか、いわゆるヲタク的感性は乏しいようで、わたしとは合わないように思いました。
本編終了後、7、8分ほどのメイキングの上映がありまして、びっくりしたのがこれが本編同様なんとも脱力系の出来なことです。
インタビューを受けて話す上野樹里も要潤も、監督を初め皆一所懸命頑張ったというようなことを言っており、つまりは、かなり力を入れてユルユルのほほんに作ったということなわけです。が、では、その、本編同様かなりユルユルなメイキング自体を作る際の“力の入れ具合”はどうだったのかと思ってしまいました。
メイキングも「かなり力を入れてユルユルのほほんに作った」ということなのでしょうか。メイキングってそんな一所懸命頑張って作るものなのでしょうか。わからん・・・。
本編もメイキング程度の“力の入れ具合”でしか無かった、ってこと?
などということは考えにくいので、はっきり言ってこの監督サン、どう作ってもユルユルのほほんの脱力系にしかならないってことなんじゃないかと思ったりするのですがどーなんでしょうか。
返信を投稿
Copyright©2008 USEN GROUP All Rights Reserved.









