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言ってほしかったひとこと(ネタバレあり)

2006/01/20 by むぎわら帽子のジミー

スタンドアップ

(劇中で明かされる重要な展開について触れています。未見の方はご注意ください)



 後半で、教師にレイプされているジョージーを目撃したボビーが、何もせずに逃げ帰ってしまったという秘密が明かされます。このとき彼の取った行動は、もちろんほめられるものではありません。「なぜ助けないんだ? ガールフレンドなのに」と、観ている間はほんとうに腹が立ちました。

 ただ、しばらく時間が経って冷静に考えてみると、ボビーの取った行動はある意味やむを得ないとも思えます。リアルとリアリティとの差、でも言いましょうか。たとえば、ふだんから「オレだったら逃げないぞ!」と自分に言い聞かせていても、現実にあの場に出くわしたら、ほんとうに被害者を助けられるかどうか疑問だからです。そういう意味では、一方的にボビーを非難できない。

 しかし、それを踏まえた上であえて書きますが、やはりボビーがジョージーに謝るシーンがほしかったです。証言台で認めればそれで終わり、というのではなく、裁判の後にプライベートな場で謝罪するシーンが。いくら彼が弱い存在だったとしても逃げ帰ったのは事実だし、置き去りにされたジョージーの精神的な苦痛はたいへんなものだろうし、ボビーもおそらく心の奥底では、ずっと後悔していたに違いないと思うので、過去の区切りをつけるという意味で(ふたりが和解できるかどうかは別にして)、直接彼女に言う「悪かった」のひとことがほしかったです。

 会社内でのセクハラ問題を扱った作品ですが、私はそれよりもこのレイプ事件の方に強い関心を持ちました。このエピソードだけでも一本の映画が作れるのではないかと思うほどで、いろいろ考えさせられます。

 

  • Re: 言ってほしかったひとこと(ネタバレあり)

    2006/01/30 by kusukusu

    *ネタバレしてます。

    こんにちは。
    僕はこの映画はジミーさんとは逆に、後半、セクハラの話がレイプの話にいってしまったのが疑問でした。
    ドラマとしては盛り上がるのかもしれないけど、裁判闘争としてはおかしくないですか?
    そもそもヒロインが男関係でだらしない人間であることをあきらかにしたからといってセクハラがなかったということにはなりません。たしかにヒロインのイメージを悪くさせるかもしれないけれども、かといってヒロインの証言を覆すことになるわけではなく、過度にあることないことを言い立てるような裁判闘争をしたらかえって不利になることは冷静な被告ならばすぐに気がつくはずです。
    仮にヒロインが男関係でだらしない女だったとしても、だからセクハラではなかったのだ、女が誘っていたのだなんてことを、なんら、証拠がなくて言い出したら、そう言い出したほうが不利になります。
    それに、あの高校教師がのこのこ、裁判の場に出てきたのが不思議です。レイプしたことがばれたらやばいと思って裁判に出て来ないのではないでしょうか? 女弁護士だって高校教師に会って話を聞けばレイプだったのではと気がついて彼を証人に立てたらかえって不利になると思うのではないでしょうか?
    総じて、被告側はあまりに思慮が足りないと思います。思慮の足りなさは裁判闘争がはじまって以降もセクハラをやめるどころか、さらにひどいことをしていることからもうかがえます。彼らは裁判しているのにこうしたことをしたらまずいと思わないのでしょうか?
    こうした点がだんだん疑問に思えてきて、ジミーさんとは逆に僕は後半に行くにつれて気持ちがさめてしまったようです。
    もちろんこれはフィクションのドラマですからこういう作りもあっていいとは思うし、作り手が主張したいテーマは明快に打ち出されているとは思うのですが、ならば冒頭で「これは真実である」と打ち出すのは説得力がないように思います。
    ただなるほどと思ったのは会社側がセクハラの闘争なので女弁護士を立てたということです。これは実際にもそうだったのかもしれませんが。
    でも女弁護士自身は途中でうんざりしてきていたみたいだけど(笑)。そこでもしかしたらと思ったのは、あの女弁護士が高校教師を証人に立てたのはわざと原告側に塩をおくったのではないかということです。つまり、女弁護士は高校教師に会って話を聞いてレイプであることに気がつき、裁判の場でそれがあきらかになればこのいやな仕事から手をひけると思ってわざとああいう証人を立てたのではないか? これなら、自分を雇った会社側にも、もともと会社側に言われてああいう証人を立てたわけだし、ああいう展開になるとは思わなかったと言えばいいわけが立ちます。
    もしこの映画の脚本家がそこまで計算して書いていたのだとしたら、僕のこの映画に対する見解はちょっと変えたいとは思います。

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