トランスアメリカ (2005)
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その個性は真実なのか
2006/08/23
by
さくらんぼ
この映画は、息子を迎えに行く女の視点で描かれていますが、逆に息子の視点で観てみると・・・。
警察の厄介になっている自分の釈放のために現れたのは、父ではなく、見ず知らずの一人の女でした。不審に思って問いただすと、キリスト教の関係者であり、父親の元へ送り届けてくれると言いました。しかし、どうもアヤシイ。
やがて、女性だと思っていたのが、女装した男性だった事が偶然バレれてしまいます。「この女、いや、この男はなにか企んでいるのかもしれない」。ますます不信感を深める息子。
しかし、こちらがどんな態度をしようと、いつも変わらぬ慈愛に満ちた雰囲気に、やがて息子は心を開き、いや、開きすぎて愛情の告白までを女にしてしまうのです。
慌てながらも、やんわりと拒否する女。そして、自分の本当の身分を明かすのです。お前の実の父親だと・・・。ビックリして家出してしまう息子でした。
映画を観ていた私もすっかり騙された事がありました。男優さんが性同一障害に苦しむ男を演じていたとばかり思っていましたが、なんと女優さんが演じていたのです。すごい演技力ですね。
私たちは日ごろ意識していなくとも、肩書きや見かけなどの「記号」で人を判断しています。しかし、それがまったく当てにならない時代の不安を、この映画は語っていたのかもしれません。
親切に拾ってやったヒッチハイカーが盗賊に豹変するエピソードもありました。薄汚く怪しい少年が尋ねてきたと思ったら、自分の孫だったエピソードもありました。無骨なネイティブアメリカン?の男にさえも秘密のいくつかはありました。それに女も彼を騙して本当の女性だと信じさせ、自分に有利に働かせました。
米国ではテロの不安のため、隣人を疑いの目で見つめているのでしょうか。映画「ユナイティッド93」でも、牙をむく前のテロリストは紳士的な隣人として描かれています。
日本ですら「人を見たら誘拐犯と思え」という雰囲気が出始めているぐらいですから。
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