マリー・アントワネット (2006)
»掲示板
万年少女/★★★
2007/02/01
by
くりふ
書いてからネタバレかな? と思いこちらにしました。
アントワネットの嫁入り14歳。K・ダンスト24歳。冒頭このギャップにどうにも馴染めず、気付かぬフリをしようと決めたが、後で18歳の誕生日が出てきて我に返ってしまった(笑)。少女っぽさは出てたと思うけど、ベースが微妙にロシア風おばさん顔だし、どうにも…。
K・ダンストの映画デビュー作ってオムニバス「ニューヨーク・ストーリー」W・アレン編だったんですね。当時7歳位。M・ファローの子役だったのだろうが思い出せない…。偶然にもこの映画でF・コッポラ編の脚本書いたのが娘であるソフィア。ホテルに住まうセレブガキの、豪華だが他愛もない日常が延々続くお話で、今思うと「マリー・アントワネット」の原型があるような。
映画の感想ですが、面白いか否かを脳が判断する前に、キレイなものが次々視野に飛び込むので、脊髄反射的にまずは楽しめました。観終わってからは釈然としなかったのですが。ソフィア監督がアントワネットをどういう人物と解釈したのかよくわからなかった。史実忠実度は期待しなかったけれど、彼女がいかにして「赤字夫人」と相成ったか? という点で、この映画ならではの面白い解釈が見たかったですね。彼女が全国区で嫌われるには本人に何らか原因があったわけで(父親譲りの享楽的性質故とする説とか)、また民衆を知ろうとできたのにしなかったのは、若さ故だけではないはず。全て環境や時代のせいにしてしまうのもおかしいだろうし。
あくまで一人称的に、アントワネットの気分を追いかける映画なんですね。その点ではすんなり観られました。だから、彼女のストレスに比例させて現代音楽(少し昔だが)を挟み込むのはわかりやすかったし、贅沢三昧してたらいつの間にか革命始まってた、という展開もよかった。殿ならぬ「バカ姫さま」ですよね(笑)。本人がのんびりしてると「てえへんだ!」と誰かが飛び込んでくるのがパターン。
ベルサイユ宮殿でとにかく遊んでみたい、というのが実はソフィア監督の本音だったんじゃないの? とも思いました。プチ・トリアノン庭園での伸び伸びした映像や、踊り明かした翌朝に朝日を眺める青春臭プンプン演出を見るとそう感じます(あの庭園、当時は森林をそっくり移動して作られ莫大な費用がかかったとか。もちろん税金使ったのでしょうね)。何気に挟まれる「産みたて卵お掃除描写」は、楽しんじゃってゴメン! と監督が言い訳してるようにも見えました(笑)。
ベルサイユを去ってからが面白いんですけどね…。幽閉されてもずっと「万年少女」を続けるのか? 裁判で「それでもワタシはやってない」と言い張るのか? ギロチンの刃が首を切り裂く瞬間まで、ずっと少女やってたら何だかスゴイ映画になった気もするのですが。ラストで呟く「お別れをしているの」とは、何に対してのものだったのか…。
物語を宮廷内で終わらせたかったことは理解できるのですが、要するに夢が覚めつつあるところでブツンと終わってしまうので、どうにも目覚めが悪いなあ、と思いました。
あと、個人的にはデュ・バリー夫人の扱いが不満。平民から国王の公式愛妾へと成り上がり、宮廷内に派閥を持つほどの権力者となった女を、卑しい売春婦、とシンプルに片付けてしまうのはもったいない。まあ、アントワネット少女の視点話だから仕方ないか。
さらに極めて個人的感想ですが、観終わって「下妻物語」を思い出しました。あの映画の冒頭で、ロリータ少女桃子が「何というあほらしさ!」と褒めちぎる、おフランスロココ生活。あの短いシークエンスを2時間に引き伸ばしたのがこの映画かも、なんてことを思いました。アントワネットにもイチゴのような友人がいたら、フランス革命の成り行きは変わっていたかもしれません。…なワケないか。下妻観てない人には何のことやらですが(笑)。
返信を投稿
Copyright©2008 USEN GROUP All Rights Reserved.








