ALWAYS 続・三丁目の夕日 (2007) »掲示板

買収でしらけました。 ネタバレ

2007/11/21 by 未登録ユーザ 紅孔雀

ALWAYS 続・三丁目の夕日

ラスト近くで、茶川の作品が芥川賞の最終選考に残りましたが、そこで選考委員と名乗る詐欺師が現れ、鈴木オートの社長を始め数人が買収工作を始めます。これに茶川も乗っていくのですが、私はそのシーンで一気に醒めてしまいました。これって、店を休んでまで書き上げた作品を貶めることになると思うし、もしも、受賞できたとしても素直に喜べるのか大いに疑問です。映画の流れから言えば落選するという予想はつきますが、あの買収工作のシーンを入れたことにより受賞、落選に関係なく、茶川が夜を日に継いで書き上げた「踊り子」が薄っぺらなものになりました。

 

  • Re: 買収でしらけました。

    2007/11/22 by じょりちょこ

    > ラスト近くで、茶川の作品が芥川賞の最終選考に残りましたが、そこで選考委員と名乗る詐欺師が現れ、鈴木オートの社長を始め数人が買収工作を始めます。これに茶川も乗っていくのですが、私はそのシーンで一気に醒めてしまいました。

    芥川賞を大層なものだと思っている人がピュアな気持ちで作家を目指しているという時点で僕は冷めてしまいますね。
    芥川賞に限った話ではありませんが、文学賞は先考者たちが持ち回りで彼らの弟子に賞を与える場合が非常に多いです(もちろん芥川賞に限らず、毎回そうだというわけではありません)。文学賞というものは、少なからずプロモーションの役目を果たしているので、そういうことになってしまうのです。
    茶川さんが「芥川賞をとって売れる作家になってやる!」という生臭い目標を持っているなら、買収も自然ですし、芥川賞を目指す理由としても納得がいきます。でも、そういう印象ではないですよね。もっとピュアに「素晴らしい作品」をモノにしたいと思っていて、そのための目標として芥川賞があるというね。茶川さんが本当に自分の納得のいく作品を目指しているなら、賞なんかどうでもいいはずなんですがね。
    茶川さんは、というわけで、良くいえば純朴であり、悪くいえば「永遠に作家志望の青年」というよりありません。自分のやっていることがわかっていないのです。(たぶん脚本家はそのことがわかっています。)

  • Re: 買収でしらけました。

    2007/11/22 by 未登録ユーザodys

    >芥川賞を大層なものだと思っている人がピュアな気持ちで作家を目指しているという時点で僕は冷めてしまいますね。
    >茶川さんが本当に自分の納得のいく作品を目指しているなら、賞なんかどうでもいいはずなんですがね。

    作家志望であるなら、芥川賞を狙うのは当然だと私は思います。周囲から認められてこその「作家」だし、また受賞するしないで執筆依頼の多寡も違ってくるわけだから、作家で食っていこうとする人間ならまず芥川賞をとってやろうと考えるはずです。ほかに職業を持っていて、別に認められなくとも自分に納得のいく作品が書ければそれでいいと思っている人なら別ですが、この映画では経済的な事情もあって作家で立とうと考えるわけですから、公的な賞を狙うのは自然な成り行きではないでしょうか。

    文学賞の選考に生臭いところがあることは確かで、直木賞については筒井康隆が『大いなる助走』を書いて内実を暴露し、この小説はまた映画化もされています(筒井もチョイ役で出演している)。
    ただし、基本的に新人賞である芥川賞がコネや情実だけで決まると考えるのは行きすぎでしょう。太宰治は芥川賞に固執して先輩作家に訴えたりしましたが、結局とれませんでした。賞には運不運がつきものです。茶川が今回芥川賞をとれなかったのは、運半分、実力半分ではないでしょうか。
    むしろ不自然なのは、彼は東大文学部卒という設定ですから、そのつもりになればコネに訴えようと考えることもあり得たのに(芥川龍之介その人を初め、太宰、川端、谷崎、三島、吉行など作家には東大出身者が多い)、それを思いつかないままに金銭でという詐欺師の言い分を鵜呑みにしてしまうところで、そこは脚本のマズイところだと思いますね。

  • Re: 買収でしらけました。

    2007/11/22 by じょりちょこ

    > むしろ不自然なのは、彼は東大文学部卒という設定ですから、そのつもりになればコネに訴えようと考えることもあり得たのに(芥川龍之介その人を初め、太宰、川端、谷崎、三島、吉行など作家には東大出身者が多い)、それを思いつかないままに金銭でという詐欺師の言い分を鵜呑みにしてしまうところで、そこは脚本のマズイところだと思いますね。

    そうですね。同意します。
    強いて言うなら、コネに頼るのを潔しとしなかった茶川さんが、詐欺師に実際にアプローチされると自分の弱さを露呈した、という解釈ですかね。
    多少、分裂症気味な設定だとは思いますが...

  • Re: 買収でしらけました。 ネタバレ

    2007/11/23 by taru

    >>紅孔雀さん

    >映画の流れから言えば落選するという予想はつきますが、あの買収工作のシーンを入れたことにより受賞、落選に関係なく、茶川が夜を日に継いで書き上げた「踊り子」が薄っぺらなものになりました。

    おっしゃる通りですね。

    冒頭のびっくり仰天シーンは、実は彼の書いているSF小説の中の出来事でした。彼が普段書いているものは、大衆小説を対象にした直木賞向きのものであり、彼は芥川賞よりも直木賞を目指した方がよかったのかもしれませんが、彼は自分自身の恋愛体験を踏まえ、あらゆる意味で人生の一発逆転を狙って(私小説としての?)「踊り子」という小説を書き上げたのですから、その小説の価値が、貧乏人である彼・彼らがたまたま持ち合わせていたはした金で何とかなる程度のものだとしたら、彼のプライドが許さないはずなのですよね。

    ヒロミが帰って来た時の泣かせどころも、小骨がのどに刺さった感じがありましたね。

    彼自身はばかにするなと買収話を蹴るんだけれど、周りの者が勝手にお金を持ってきて詐欺師にやってしまったとでも、シナリオで工夫する余地はあったと思います。

    >>odysさん

    東大生と一口に言っても色々で、彼は落ちこぼれの類。同窓会をめぐるエピソードで、彼がコンプレックスを持ったまま孤立した立場におり、東大のコネを利用するなんて思いつかない人間であることは明らかだと思うのですが。

    それよりも不自然なのは、掲載誌の編集部に何の動きもなかったことです。小説は書けば載せてもらえるというものではなく、当然編集部に原稿を持ち込んで売り込みをする訳ですね。茶川さんもそれくらいの努力はしている訳です。で、雑誌にも芥川賞受賞の可能性をほのめかした宣伝文を書いている(そんなの見たことありませんが)んですから、編集部の期待も大きかったはず。なのに、編集部の人間が一人も出てこなかったのは、やはりあの雑誌が二流(?)の雑誌でしかなかったという証拠なのでしょうかね。。(笑)

  • Re: 買収でしらけました。

    2007/11/23 by 未登録ユーザodys

    『Always』第1作から考えるに、茶川はもともと純文学志望で、しかしそちらではなかなか芽が出ず、やむをえずカネをかせぐために大衆小説や子供向け雑誌に載せる作品を書いていたわけです。

    東大といっても、この頃までの文学部は必ずしもエリートの集まる場所ではなく、卒業すると学者になるのでなければ高校教師などになるしかなかった。作家志望という者もそれ相応にいたでしょうけど、大江健三郎のように早い時期に芥川賞をとるならともかく、そうでなければ落ちこぼれに近かったはずです。

    三浦朱門は、ある時講演会で「私は東大文学部卒の秀才でして」と挨拶したら、文字通りに受け取られて困った、と述べています。つまり三浦が東大を出た戦後すぐのころは東大と言っても文学部は決して頭の良い人間の行くところではなかったという前提のもとに話をしたのに、講演会をやった時分には東大文学部もとっくに難関になっていたので、聴衆にはユーモアが通じなかったということです。

    太宰治だって、フランス語が全然できないくせに東大文学部仏文科に通っていた落ちこぼれですが(逆に言うと東大文学部なんてその程度だったのです)、芥川賞が欲しくて川端康成などに働きかけたりしています。つまり、東大出身の文学青年がコネに頼ろうと考えるのは、ごく自然なことだと考えられるのです。今回の映画での同窓会のくだりは、あまり東大文学部の実態に即していないのではないか、という気がします。

    映画が実態に即していないと言えば、あの雑誌で茶川の作品が芥川賞候補とされているのも変ですね。芥川賞は一度文芸誌などで活字化された作品を候補としますから、候補となるためにはいったん雑誌に掲載されなくてはならない。原稿用紙に書かれただけの作品が候補になることはありません。ですから最初に雑誌に掲載された段階では候補になっているはずがないのです。

  • Re: 買収でしらけました。 ネタバレ

    2007/12/08 by 未登録ユーザ遅らばせながら

    失礼します。
    自分も今日見ていて、この詐欺の展開は非常に疑問だったし
    あまり気持ちの良いものなかったのですが、あえて茶川さんを擁護します。
    茶川さんにとって受賞は、淳之介と暮らすため、
    淳之介の実父との約束のために必要なことだった。
    自分の為だけだったら、やっぱり拒否したんじゃないですかね。
    それ以前に、作品も完成させられたかと。
    お金じゃないといいながら、大事なところでお金に頼り、だまされる…
    そのことに関しては、あの実父に冷笑されたし、まぁその通りで、
    調子に乗って舞い上がった、鈴木オート含め関係者に猛反省をして貰いたいところです。

  • Re: 買収でしらけました。

    2007/12/11 by 未登録ユーザtarikihongan

    > ラスト近くで、茶川の作品が芥川賞の最終選考に残りましたが、そこで選考委員と名乗る詐欺師が現れ、鈴木オートの社長を始め数人が買収工作を始めます。これに茶川も乗っていくのですが、私はそのシーンで一気に醒めてしまいました。これって、店を休んでまで書き上げた作品を貶めることになると思うし、もしも、受賞できたとしても素直に喜べるのか大いに疑問です。

    皆さん、すごく真面目に見ているんですね。ある意味うらやましいかぎりです。
    わたしは今、57歳でこれまで見た映画は自分では2,000本以上だと思っています。たぶん1000本以上は間違いないと思います。
     で、私の場合近年はそれほど感動した映画もなければ、ぼろくそに言うほどの映画もありません。「なかなか良かった」か「あまり面白くなかった」程度の感想です。例外は「猟奇的な彼女」のみでしょうか。
     ですからこの映画の「買収」の問題も「そういうこともあり得るな」程度で、作品に対する評価には何ら影響は受けませんでした。
     私の評価は「なかなか良かった」(80点くらい)でしょうか。

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