ラスト、コーション (2007)
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1度観ただけでは疑問が多いが
2008/06/11
by
Coco
遣る瀬無い気持ちにはなるものの、不思議と悲壮感は沸いてこない。
以下、ネタバレ掲示板の三田さんのスレに書かせて頂いたのですが、私は2度目に観た時、マージャンシーンの会話や其々の目線に随分と色々な意味が込められていると気付き、鮮やかだな〜と感じました。 だから、この映画の麻雀シーンからは目が離せないと感じました。 このシーンで男の女への好意がそれとなく示唆されていたりもしていますし、果たして男の妻は全く気付いていなかったのかどうなのか? 他の麻雀仲間の婦人の中にも男と何らかの関係を持った者もいるのではないかと思わせる、艶めかしい視線の会話が楽しめて良いと思いました。
ですが、DVDの説明には女スパイというよりも暗殺者(英語版)と書かれているものの、いつ正体がバレるのかドキドキはらはらするという感覚は一切なく、いつ暗殺を試みるのか?という期待も最初のベッドシーンで呆気なく消え(あーもうダメだ)という感がありました^^; それが何故だったのかは、未だに分かりませんが、多分、この物語の醸し出す世界はスパイ映画にある緊張感とは別種のトコロにあったからではないかと思います。監督が言っているように「愛」の物語なんですね。其処へ至るまでの経緯が少し理解に苦しむ部分もありますが、一度其処をスルーすれば付いて行けるレベルだと思います。
仲間と行為を持ち処女を捨てるシーン。。。 このシーンには違和感を感じました。 処女を捨てなければならないのは、既婚女性のフリをしている以上、処女である訳にはいかないというのは理解出来ます。理解できますが、女性として、はい、理解出来ました、だから練習しましょう!と、そう簡単に出来るのか?! 私は、ここの部分がどうしても?でDVDを2度観したのですが、多分、彼女も孤独だったのだと感じました。 父親は彼女を置いて、彼女の弟だけ連れて英国に行き、彼女を呼び寄せるどころか、英国で再婚したと手紙が送られてきているシーン。。。 きっと、憂いのある時代背景だけでなく、そんな家庭環境等も、彼女が大した大義を持って活動に加わった訳ではなくても、自らの身体を簡単に投棄してしまった理由ではないかな。。。と。 そこまで掘り下げて考えないと、私には絶対に理解不可能な行動なので^^;
そして、もう1つ、彼女がこの活動に身を投じたのは、心惹かれる青年の為であったとも感じます。唯、この2人は最後まで何もなく、処刑される間際の2人の視線が、彼は「何故、あの時僕らを裏切って奴を逃がしたんだ!そうしなければ、今、僕らはこんな目にあってない筈だ!」と訴え、彼女は「あなたが私をもっと早く愛して、しっかりと繋ぎ止めてくれなかったからよ!」と言ってるように思えました。
最後の方で青年が彼女にキスをしたシーンで、彼女がそれを拒否し、「3年前にも出来た筈なのに何を今更」と憤るシーン。。。 組織や大義の為なら好きな女性が他の男(しかも仲間)と寝て処女を捨てる羽目になったり、暗殺者と激しい情交を持つのを平気でいられるのか?! そこまでしても投じなければならない程の状況が当時の中国に充満していたということなのでしょうか。。。
また、中国が素晴らしい!と言う割に、外国人や異国の物品が多用されている辺りに、多少の疑問というか矛盾も感じました。 何故、愛国心に燃えて組織に身を投じた青年達が西洋のダンスを踊るのか?とか、カフェでコーヒーを飲んだりするのか等。 まぁ、良いものは何処の国の物・文化でも受け入れられるという事なのかもしれませんがw
私が観たのはアメリカ版、英語字幕です。多分、カットされてる部分は無いと思いますが、前評判程の露出は感じられませんでしたし、それ程過激とも感じませんでしたが、女スパイとして寝室での暗殺を決行する訳でもなく、唯、相手の思うままにされてしまう最初のベッドシーンは居た堪れない気持ちにさせられました。(更に、後日、それらを仲間が全て知っていた・見張っていたと知った時の彼女の鎮痛な表情が。。。)
たった1人の若い女性に、これ程の自己犠牲を払わせながら、彼女が唯一託した英国にいる父への手紙み焼き捨てる組織の上司。(観ている側は彼女が唯、組織の駒として利用されているだけだと知っているだけに、余計に腹立たしく感じました)それを見ても、彼女の盾になる事の出来ない青年。。。
麻雀では必ず負け、組織から受け取る資金も負け麻雀で消えて、何1つ良いことがない!と訴える彼女と、内に孤独と苦悩を抱えた男。自分は誰も信じたことがないが君の言葉だけは信じる!と言う男と、身も心もギリギリのところで持ち堪えている女。 日本の料亭風の店で彼女を待ち、彼女を待たせた罰に君をここで待っていたという男に、中国の歌を歌い舞う女。それを見て、涙し拍手する男に、日本の犬となって働く男の中の中国人を感じるシーンでしたね。
ラストの方の、指輪を受け取りに行くシーン、私はこのシーンは、味方は隠れていたような気がします。ホテルの下に2人位いたような気がしますが、あれは味方ではなかったのでしょうか? 彼女が組織に封筒を渡した時、彼女はまだその封筒の中身が、彼の彼女への愛情の表現方法の1つだとは気付いていません。 そして、彼に言われた通りに封筒を渡した相手から、彼のサプライズ・プレゼントの事を知らされ驚いた表情が一瞬垣間見れました。 指輪が出来るまでカフェでコーヒーを飲みながら、彼女はもうすぐ決着がつく事を察知し青年にTelをします。(彼女はあくまでも任務が成功したら青年と2人で父のいる英国へ行けると信じている訳ですから)
しかし、彼女の気持ちが変化するのは、やはりあの見事な指輪を目にし、その指輪を嵌める前に彼が彼女に言った一言だと思います。「高価な宝石に興味があるのではなく、その宝石が君の指の上で光り輝くのを見たい」と。 ここで、麻雀シーンでの遣り取りやジュエリー、そして組織や青年が彼女にしたことと、彼が今、純粋に彼女に示している愛情からくる言葉と行動が、彼女に逃げて(英語字幕では、Just Go!)と言わしめたのではないかと。 私が彼女でも同じ事をしただろうと思います。
日本語版では流れていたそうですが、英語版には「同期の桜」は流れていなかったと思います。 英語版では日本に対する包み隠さぬ憎悪の台詞も結構出て来ていましたが、多分、日本版では多少カットされているのではないかな〜と思ったりもしています。
トニー・レオン落ち着いて押さえた演技の中で見せる細やかな感情表現が良かったと思います。 もう彼もこういう渋い大人の男を演ずる年代なんですね。
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