ウエスト・サイド物語 (1961)
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Beat it !
2005/05/21
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祖父は共産主義者で祖母は嘘つきなんだ、警部補
ハリウッド&ショウビズ界は今だに、この映画から離れられないように見える。
映画の最頻出?セリフ"Beat it !"(うせろ!) は、'80年頃に、そのままの題名でM.ジャクソンが曲を作り、プロモビデオで真似したほど。
M.スコセッシも、これを下敷きにしたらしい、舞台や登場人物の似た(時代はもっと前)「ギャングオブニューヨーク(GONY)」を作った。 主演はロミオ役(タイタニックの役も一種のロミオ)しか当りのないレオナルドディカプリオで、陳腐な配役だった。
一方で、面白いことにGONYも「ウェストサイド〜」も、アカデミー賞・俳優部門で受賞していながら、それは"ロミオ"でなく、"ロミオ"に殺される役(D.D.ルイス、J.チャキリス)である。 それほど"ロミオ"(映画ではトニー)は主役でなく、脇役を引き立てる役に過ぎない。
ストーリーを見ても、マリアに夢中になる前のトニーはそこそこカッコ良いが、恋をしてからはあまり魅力がない。ただの歌い手になってしまっている。 これは作り手も十分承知で、ロミオとジュリエット(トニーとマリア)の恋を横糸、ストリートキッズの抗争を縦糸の関係で、2グループの首領たち(ベルナルドとリフ)を生き生きと描こうとの意図だった。
GONYの前にも、この映画をパクった作品がある。「イヤーオブザドラゴン」だ。 ベルナルドの雰囲気をたたえたジョンローンと、リフに似たミッキーロークの闘いが描かれる。ミッキーロークの部下が、金網の所で、ジョンローンの手下に撃たれて絶命するシーンなど、思わず笑ってしまうほどそっくり。
監督は、ミュージカル部分はジェロームロビンス、ドラマ部分はロバートワイズ。ワイズはどちらかと言うと、反体制的な作品作りを好むようで、歌好きの尼さんがナチの侵略をかいくぐりシンデレラになる「サウンドオブミュージック」や、ベトナム戦争の泥沼を中国情勢に置き換えた「砲艦サンパブロ」、反ナチのテロ工作と断定した「ヒンデンブルグ(の爆発)」がある。
この映画でも、大人はストリートキッズたちと相当な距離感で描かれ、若者たちが大人によって感化されることも、大人たちが彼らを理解する様子も全く描かれない。 青春映画の極端なところかも知れないが、監督の好み(反体制)も相当反映されていると感じる。
ストーリーで最も嘘くさいのが、ベルナルドの恋人(リタモレノ、アカデミー助演賞)が、マリアからトニーへの伝言を、ジェット団から受けた仕打ちに怒り、全く違う風に伝えたのを、店主が真に受けてトニーに伝えるシーン。 他人に利用されるだけの愚かな男として、店主を描きたかったのかも知れないが、ちょっと情ない。
ワイズ担当のドラマ部分には色々言いたいが、ロビンス担当のダンスシーンの躍動感は素晴らしい。 ミュージカルナンバーの中でも"America" は出色。 ここでは、プエルトリコ系の女たちがアメリカの理想を讃えると、男たちがアメリカ社会の現実で切り返すと言う、分かりやすいが深刻な問答を、最も明るく歌うのが興味深い。
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