キャリー (1976)
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超能力と青春
2002/11/12
by
仮名側之丞
デ・パルマ監督の出世作。
原作スティーブン・キングによる、超能力者シリーズの初期の作品の映画化です。
キング作品の超能力者は大体可哀想な事になりますが、これはその最初でしょう。
映画は、ヒロインの超能力少女キャリーの青春映画です。また、母子家庭においてヒロインを抑えつけながら自分は宗教に逃避する母からの自立を得るための戦争でもあります。
冒頭とクライマックスでヒロインを襲う「血」は何を意味するのでしょうか。どちらもいじめに利用されていましたが。
最初の血は女性として自立すべしとの、女性におけるアイデンティティ確立を促されるものでしょう。だが、それは母親にとっては女にかけられた呪いでしかない。母親は自分の過去の過ち、そして娘の未来の過ちとは、自分たちが女であることだと決めてかかっている風です。キャリーが女らしくなるのを呪っています。アイデンティティ確立が遅れているため、キャリーはハイスクールでクラスメートからいじめられています。
キャリーには更にもう一つ、超能力者としてのアイデンティティも確立すべしとの難題がふりかかります。念動力を使えるのですが、自分でコントロールできません。不安や憤り、悲しみを感じた時だけ勝手に力がはたらくのです。
母親がどんなにキャリーが女としてのアイデンティティ確立を阻止しようとしても、環境(ハイスクール)がそれを許してはくれません。やがて卒業パーティとなり、キャリーを巡る善意と悪意が交錯する中でプロムの女王となる天国と、2度目の血を浴びる地獄とをほぼ同時に味わいます(どちらも悪意によるもの)。彼女の超能力と同じように抑えられない極端な運命が彼女を襲うのです。
そこで彼女の反撃となる地獄のような超能力が発揮される訳ですが、これが彼女の1つのアイデンティティ確立(超能力を使う目的が明確になる)です。その前に、善意からプロムのエスコート役となる男の子を得て、女としてのアイデンティティも確立します。
自立のためには、もう後は母親を倒すだけ。彼女はそうします。倒し方も壮絶な見物となっています。
映画の中で、ヒロインの母親が崇拝するキリスト像が非常に無気味な感じだったのが印象深かったです。 当時の若手スターも、ジョン・トラボルタ、ウィリアム・カット、ナンシー・アレン等、揃っています。ヒロイン役シシー・スペイセクが非常に上手かった。
ホラーですが、悲劇としての独特の味わいがありました。
採点は★★★★☆です。
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