わらの犬 (1971)
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切ないバイオレンス映画
2004/04/26
by
masamichi
非暴力をモットーとする男が理不尽な暴力にさらされることによって暴力に正当性を見い出す。
この映画はアメリカではあまりヒットしなかったが、イギリスではヒットした。
イギリス人は「弱い者が悪戦苦闘して強い者を倒す」映画が好きらしい。
これはもうかなり前に観た映画だが、当時はあまり楽しめなかったことを今でも覚えている。暴力描写は今に比べればさほどでもないし、何よりカタルシスが感じられない。よく分からないが、後味の悪い映画だなーとなんとなく思っていた。
それがつい最近なにかの雑誌の評論でこの「わらの犬」をやっていたのを見た。そこには確かこんな風に書かれていた。
「この映画が並のリベンジものと違う点は主人公の動機にある。つまり妻をレイプされてその復讐で相手を殺そうというものではなく、妻が非暴力主義の自分よりもレイプした男の方にこそ「男」を感じてしてしまったから、じゃあそいつを殺してオレこそが男であることを妻に知らしめてやろうというのがこの物語の主人公の動機である。」
なるほどなーと思った。
カタルシスを感じなかった理由はこれか、と。
自分の女を見返すためだけに命を懸ける。
男って何ともくだらなくて哀れな生き物なんだなあ、と。
他人の評論を読んで初めて自分の中で言葉にできた。
この映画に内包されているテーマはこれだけではないだろうが、自分はこの視点を大事にしたいと思う。
何にせよ「わらの犬」は自分の中に残る映画となったのだ。
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