踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ! (2003)
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「珍しい」映画でした
2005/10/26
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最大素数
過日のTVでの放映を録画しておいたのを観ました。「完全版」と銘打たれていましたが、公開されていたのは不完全版だったのでしょうか。って、観てみると「不完全」版だからなにか不都合があるというわけでも無いように思いますけどね。
オープニングの訓練の顛末は、「本作は“こーいう”映画だかんね」との高らかな宣言でした。
つまり、ホントっぽさとか現実味(リアリティ)に拘らないで観てね、ということなわけです。
なので、本作に対して、あり得ないとか意味分からんナンセンス辻褄が繋がりがなどなどの理由での低評価は的はずれと言わねばなりません。ま、そーいう映画ならそうと言ってくれよぉ程度のオブジェクションは許しましょう(笑)。
それはそれとして。
ここでの書込みをザッとですが眺めてみますと、TV版や前作『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』の方が良かったという声が結構あるようですので、それらは刑事モノとして内容も体裁も整えられていたということなのでしょうか(わたしはどれも見ていません)。
とは言え、本作の平均満足度は10/26迄で58.26点(TV放映でちと下がった・笑)、前作のそれは61.17点とあまり違いません。そして良くみると、前作の投稿には90点の二重投稿があり、これを補正すると投票数16で総合95点、平均満足度は59.37点となり、もう殆ど差はありません。(本作の二重投稿を補正したらどうなるのかは数が多すぎるので検証していません・笑)
前作も本作と同じ程度の評価だったとすると、前作も本作同様“リアリティ”無視の作りだったということ?或いは“リアリティ”とは無関係にその程度の出来だったということ?ま、なんでもいいんですが。
ともあれ、そういうことらしいので、これは“リアリティ無視刑事ドラマ”なんよと常に自分に言い聞かせながら観たわけですが、実をいうと特に言い聞かせなくてもそういう見方ができてしまっていたのです。
その原因は主演の織田裕二へのかなりな“違和感”です。
これは一種の“相性”なのか、本作のTV版も前作も観ていない理由でもあります。
昔、たまたまTVドラマを見まして、どうも演技とか役者という仕事をナメているような感じがして仕方なかったのです。それ以後観る機会は無かったのですが、後に『ホワイトアウト』を観たときにそういう感じを思い出しました。
「ナメている」というのは、手を抜いているとか、演技が下手とかわざとらしいというような印象とは違います。演技に工夫がある、熱演している、という感じは判るのですが、どうしても「ま、こんなもんだよナ」「こんなとこでいいじゃん」的“楽してナンボ”みたいな非一所懸命脱力感を感じてしまうのです。
これは、「こういう役を演じているのだ」というある種の“現実感”が常につきまとっているということでもありまして、彼の熱演には、「こんなもんだよナ/こんなとこでいいじゃん」と語りかけている相手の存在を思い起こさせられ、引いてはカメラの手前など映らないところにいる大勢のスタッフを意識させられ、更に撮影開始直前までの喧噪さえも想像させられてしまい、ちと醒めてしまうのでした。
この感覚はキャスターを努めた世界陸上のTV中継でもあって、放送されている競技についてのコメントに「こんなもんでどうでしょ」的匂いがしてガチンコ感が薄らいでしまうのでした。勿論解ってはいるのですが彼が喋り始めると、競技が(映画の場合とは逆に)フィクションの世界の出来事のような錯覚に襲われてしまうのです。なので、それ以降、今年も中継は観ませんでした。
そういう事情のせいか、人物造形がかなり誇張されていることが良く解り、それはそれで楽しめました。
その中で、沖田管理官は「嫌われる女性上司」の典型としてそこそこ丁寧に作り込まれたことがよく判ります。それを更に大袈裟に膨らませたのは演じた真矢みき自身の判断による役作りの結果なのか、そういう演出意図のもとに“宝塚仕込み”を見込んでの真矢みき起用(そしてその期待に彼女が応えたということ)なのか、途中からはついつい彼女にばかり注目してしまいました。沖田管理官、心性としてはひねた部分がある筈なのに底意地の悪さなどの感じは全く無く、何気に育ちの良さが窺えてしまうのは真矢みきの地なのか、だとしたら演技力は今一ということでした。
ストーリーには刑事・事件モノに特有の緊迫感がまるで無く、“リアリティ”を棄てたのですからそれはそれで構わないのかも知れないのですが、ならば、“アンリアリティ”ならではの面白さを盛り込んで欲しかったと思います。
と言ってはみてもですね。
「組織」がコンセプトだったようですが「組織論」以前の感覚的概念の、その上っ面を撫でただけで陳腐な結論で締めてしまい、なんちゅうテキトーな!と思いかけたところで、うーむ成る程徹底的に“リアリティ”を棄てたってことなのナ、と納得してしまいました。
んな話しはおいといて、観る側もノーテンキになれば、本作の別な顔が見えてきますね。
本作の“実体”は「お台場観光案内」なのです!(笑)
実に丁寧な「ルート」の説明。映画冒頭ではあからさまに観光案内、劇中では“脱出”ルートと称して重ね重ねの確認説明、必要以上のしつこさ!
タイトル「レインボーブリッジを封鎖せよ」は、お台場へのアクセスはレインボーブリッジだけじゃないかんね、そこが通れなくても、つまりそこを通らなくてもお台場に来る道は他にいっぱいあるからね、というメッセージに他なりません。ほーら、いろいろなルートがあるでしょ、それぞれに便の良いルートで来てね、なのです。
一つのの犯行の犯人との追っかけっこだけではお台場巡りは難しい、ならばいろんな犯罪をあちこちで起こしてしまえ、の“同時多発”なのですね。吸血鬼騒ぎも、スリ一家の件も、犯罪を見てちゃいけません。どこで起こっているか、場所を見なきゃ。織田クンが言ってくれているじゃないですか。「事件は現場でおきているんだ!」はいはい、みんな「現場」をこそ見なきゃあねっ(笑)。
そして遊び疲れたら、なんとなんと温泉だってあるんですよぉ。
ちゃんとラストに温泉旅館のシーンを持ってきて、一日遊んだ疲れを癒しましょう、ほらほら広くてキレイでステキでしょ、ってなもんで、なかなか上手いじゃないですか(笑)。
見る人によっていろいろな見方ができるのが名作、というような知見があるようですが(わたしは支持しませんが)、それに従えば本作は「名作」と言えるのかも知れませんね(笑)。
なぜか(笑)採点する気になれません。評価しようというような気を殺ぐ、珍しい映画です。
ラスト近くの表彰式での室井管理官(柳葉敏郎)の秋田弁での台詞「かだっぱりこいで(強情張りやがって)」が、彼の東北弁の知識から犯人の逃走経路「蒲田」トンネルが判明したことと通じ、一番気が利いていて面白かったですね。
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