ミスティック・リバー (2003)
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映画にすべきでない映画
2005/06/26
by
コーヒー
どんな理由であれ、こういったストーリーが映画として表現されてはならない。
2人の友人のために犠牲になった1人の子供が、深い傷を抱えたまま大人になる。そんな彼の周囲にいるのは、思慮深さを欠いた感情的な人間たち。彼の妻も、友人らも、自分が無知である事を知らず、常に正しい人間だと信じ込んでる。そんな彼を取り囲む周囲の人間たちが勘違いに勘違いを重ねる形で、彼を追い詰めていき、結局さらなる勘違いから彼が殺されるにいたる。そして、そんな最低の行為が最後に「王様なら何をしてもいいの、愛のためなら何をやったって許されるのよ」といった勘違い発言によって正当化される事になるのである。極めつけとしては、勘違いによって殺された彼が実は唯一正しいであろう行動をとっていたという事実。
俳優の演技も例えばショーン・ペンであれば、この映画でなくとも、演技としては、これが彼のいつものスタイルであり、特別なものではない。ケヴィン・ベーコンのイカレてない今回の静かに語る演技はいい感じではあった。ティム・ロビンスの演技は素晴らしかったと思う。
映画としては、下らない映画ではない。観る者をそれほど飽きさせることのない力のある映画。つまり、問題は、その力の入れる方向を間違えるなという事である。悲劇なら悲劇としての芸術性を持たせなくてはならないが、この映画は、不条理な現実をみせるだけで、芸術にはなり得ない。これならテレビで不条理な犯罪ニュースを見ていればいいのである。
アメリカだのイラクだの、あくまでもそれは国である。国という集団を1人の人間に当てはめるのは、性質の違いから明らかに無理があり、それを試みたのであれば、高く評価されるべきはその冒険心だけだろう。非常に残念な映画というかお話であった。
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