オーシャン・オブ・ファイヤー (2004)
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世界に通用するということ
2004/04/30
by
倉島穂高
この映画の欠点は、お姫様が全然美しくないことです。宣伝のスチール(イラスト?)の斜め横顔はリヴ・タイラーにそっくりに見えるのですが、現物は似ても似つかぬもっさりしたおねえちゃん。もうひとりの英国の貴婦人も、造形的には非の打ちどころない美形なのですが、声やしゃべり方がアンビリーバボーに下品で興ざめ。私はイギリスのお貴族さまのお話をじかに聞いたことがあるわけではないけれど、たとえば『ゴスフォード・パーク』のお歴々と比べりゃ一目(一耳?)瞭然です。
英国婦人はさておき、アラブのお姫様はぜひともセクシーな絶世の美女を探し出してほしかった。もしかしたらあの女優さんは、地元の人が見れば美人なのかもしれない。でもこの映画はハリウッドを通じて世界中に公開される(たぶん)のだし、お話自体もアメリカ原住民、アメリカの白人、イギリス人、アラブ人が交錯する多民族プロットなのです。ヒーローはどの国の人が見ても超絶的にカッコよく、ヒロインもどの国の人が見ても超絶的に美しくなきゃいけません! たとえ地元の美意識と多少ずれるとしても。
私は『ラスサム』の小雪にはちょっと違和感を感じます。あの時代の日本女性にしては背が高すぎるし、顔も小さすぎるからです。でも、トム・クルーズが世界に問う映画の中のヒロインとしてはあれで正しいと思う。あれくらい美しくなくては外国人に対して説得力がないでしょう。
最近ようやく小津作品を観てつくづく思ったのですが、クロサワやオヅが外国でも高い評価を得ているのは、クロサワ作品の三船敏郎や仲代達矢、オヅ作品の原節子が国際的に通用するルックスだったことも、案外大きく作用しているのではないかしらん。三船敏郎や原節子が典型的な日本人の容貌かと問われれば、答えは「全然違う」ですよね。
この映画でも、ヒロインには『アラジン』のジャスミン姫くらいの美形女優を据えるべきでした。ベールからのぞく瞳だけでビリビリ電気が走るような、ぞろりとした民族衣装を着ていてもふるいつきたくなるようなナイスバディが透けて見えそうな、そんな美女とヴィゴのストイックラブ……う〜〜〜ん、そんなのを観たかったよ〜!!
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Re: 世界に通用するということ
2004/05/06 by
Baad倉島さん、お久しぶりです。
世界に通用するかどうか以前に、物語のキャラクター設定自体を十分には理解なさっていないんじゃないかと疑問を感じました。
> もうひとりの英国の貴婦人も、造形的には非の打ちどころない美形なのですが、声やしゃべり方がアンビリーバボーに下品で興ざめ。私はイギリスのお貴族さまのお話をじかに聞いたことがあるわけではないけれど、たとえば『ゴスフォード・パーク』のお歴々と比べりゃ一目(一耳?)瞭然です。
このご婦人は軍人の奥さんでアラブの部族民の中で育ったという設定ですね。そもそも貴族ではないし、はっきり言って有象無象の山師みたいなものです。
もうちょっとクールな冷酷さかねっとりした色気があっても良いのでは、とは思いましたが、声とかしゃべり方は合格点ではないでしょうか。
> 英国婦人はさておき、アラブのお姫様はぜひともセクシーな絶世の美女を探し出してほしかった。もしかしたらあの女優さんは、地元の人が見れば美人なのかもしれない。
絶対にそんなことはありません。
最近よくテレビの画面に映し出されるアラブの放送局の女子アナはハリウッド女優の平均と較べてもレベルが上な色っぽい美女が多いですよ。
馬に乗れる、という条件をクリアしてなおかつ美人と言う女優が見つからなかっただけじゃないでしょうか。名前からして混血っぽいですが、多分アラブの基準では不細工な部類でしょう。
でもこの映画はハリウッドを通じて世界中に公開される(たぶん)のだし、お話自体もアメリカ原住民、アメリカの白人、イギリス人、アラブ人が交錯する多民族プロットなのです。ヒーローはどの国の人が見ても超絶的にカッコよく、ヒロインもどの国の人が見ても超絶的に美しくなきゃいけません! たとえ地元の美意識と多少ずれるとしても。
う〜ん、この辺偏見じゃないかと思うんですが。
私はハリウッドの役者の美男美女度(特に男性)が余りに低いのでイランやインドの映画を好んでみるんですが、あきらかにアート系のもの以外はハリウッド映画より美的な水準は高いですよ。
> 最近ようやく小津作品を観てつくづく思ったのですが、クロサワやオヅが外国でも高い評価を得ているのは、クロサワ作品の三船敏郎や仲代達矢、オヅ作品の原節子が国際的に通用するルックスだったことも、案外大きく作用しているのではないかしらん。三船敏郎や原節子が典型的な日本人の容貌かと問われれば、答えは「全然違う」ですよね。
原節子に関しては外国人には美人には見えない、という話をよく聞きますが。
なんで小津さんはあんな部細工な女優を好んで使うのかと。
ただ、小津映画の役者さんは立ち居振る舞いが日本的できれいですね。
> この映画でも、ヒロインには『アラジン』のジャスミン姫くらいの美形女優を据えるべきでした。ベールからのぞく瞳だけでビリビリ電気が走るような、ぞろりとした民族衣装を着ていてもふるいつきたくなるようなナイスバディが透けて見えそうな、そんな美女とヴィゴのストイックラブ……う〜〜〜ん、そんなのを観たかったよ〜!!
そもそもこの映画、男の映画だから監督は女優の美醜に興味がなかったどころか目立たない方がいいと思った節があると私は感じたんですが。
まあ、顔立ちはともかく、もうちょっと二人とも色気があっても良かったとは思いますね。 -
Re: 世界に通用するということ
2004/10/11 by
T.J.私は最初は単にヴィゴ観たさに劇場に足を運んだだけで、本当はあまり期待していなかったんです。さすがにあのLOTRのレベルを期待できないな、と。けれど予想以上に良くて安心(?)しました。心に残ったのは馬が疾走する光景の美しさと、ヴィゴ演じるカウボーイの無骨な男らしさ。女性陣はほとんど気にもとめなかったのが本音のところ。でも、ズレーカ演じる首長の娘は、素直に良いと思いました。
ズレーカがあまり美しくない、ということですが、私は彼女にもある種の美しさがあると思いますよ。ベールから覗く彼女の瞳は真摯でキレイでした。それに滅多に素顔を曝け出せない砂漠の民の女性は、その顔を隠すベールも、素肌をすっぽり覆う衣装も全て含めて、その人の「顔」と言えるのでは?その意味で、ズレーカは砂漠の民らしい美しさを表現していたと思います。なにより彼女がフランクに素顔を見せたこと、つまり自分の「内面」を見せたことが重要なのであって、その素顔がいかにもハリウッドな表面的な美貌である必要はなかったと思います。ここで整いすぎた風貌であったとしたら、かえって本質が見逃されてしまったのでは?フランクも、彼女の信念を感じ取り、その内面的な輝きを「美しい」と評したのだと思います。彼女に関して言うなら、私はこの人で良かったと思いますよ。
…え〜、フランクを妨害する英国婦人ですが、いかにも腹に一物ありそうな、計算高い瞳、思惑ありげな視線、それらがちょっと鼻につく位強烈でした(笑)。いくら幼少期にベドヴィンと生活を共にしていて砂漠に慣れている、という設定だと言っても、砂漠であの扮装で通すのは無理があるというか、ご立派というか…私は彼女の役の方がむしろ誇張っぽいと感じましたが…
いずれにせよ、この映画は馬が主役。ヴィゴですら脇役、女性は添え物(笑)。映画をよく鑑賞される方の目から見たら、他の映画に比べて女優のレベルが低い、華が無いと思われたかもしれませんが、私はこれで良かったと思います。むしろある意味では、この映画の姿勢そのものが媚びていないものであることが感じられて、その朴訥さというか、正直さが好感持てるものに感じるのです。
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