クイルズ (2000)
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近年屈指の傑作!
2002/06/27
by
倉島穂高
遅まきながらビデオで観ました。ホアキン・フェニックスがあまりにもよかったので、いろんなサイトを調べてみてびっくり。『グラディエーター』と同年の公開作だったんですね。『グラディエーター』は劇場で観たんですが、むしろこっちを劇場で観るべきだった。あの年のラインナップを見ると、『トラフィック』のベネチオ・デル・トロの助演賞受賞自体は順当だと思いますが、ホアキンは『クイルズ』で助演賞じゃないかなぁ。いや、『グラディエーター』の皇帝もすばらしい演技で、その成長ぶりに胸を熱くしたんですけどね。
なにしろジェフリー・ラッシュとマイケル・ケインというクセ者オヤジ2人を向こうにまわして(しかもラッシュはケレンの極致!)小僧っこといっていいほどの年回りのホアキンが一歩もひけをとってない! とてつもない難役ですよ、これは。それから、『グラディエーター』の屈折した愚帝は最初からホアキンのイメージに合っていた役柄だと思いますが、彼が『クイルズ』の苦悩する青年神父のストイシズムをあそこまでせつなくもセクシーに表現できるなんて、いい意味で衆目の予想を裏切ったのでは? 私は前半のまだ葛藤が生じてないおだやかな表情を見た時点で「こんな澄んだ目つきもできるのか!」と、彼の無限の可能性に圧倒されました。亡きリバーが「ホアキンの兄」という言葉でくくられるようになるのも時間の問題だな。
映画そのものは、観る側に活字メディア(文字表現)に対するフェティッシュな愛着があるかどうかで評価が分かれそうな気がします。サド侯爵の「書く」こと、マドレーヌの「読む」ことへの熱烈な希求は、生理的に共感できる人とそうでない人とがいるでしょうね。そうでない人にとっては、彼らの情熱が不可解かもしれません。
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