ジャケット (2005) »レビュー

概念的配置

60点 2006/05/27 by アキラ

ジャケット

リヒターの『リプレイ』ギリアムの『12モンキーズ』ラインの『ジェイコプスラダー』等と同様なよくあるタイプのトランス系。現代美術作家の中でもビデオアーティストとして有名なデレクジャーマンの弟子ジョンメイブリがこんな商業映画を引き受けたって事でチェックしてみた。今までも彼のビデオ作品にはコンセプチャルアートの印象が強かったが、予定調和なまでに概念的に配置された人物や展開を見せる今作はその味が上手い事作劇の筋にマッチしていた。

今作は自虐的な写真ばかりを撮っていたシンディシャーマンが撮ったホラー『オフィスキラー』なんかより現代美術作家の商業映画デビューとしては成功だと思う。ある意味ソダーバーグはメイブリが羨ましいのかも。そうでなければ『スキゾポリス』や『グレイズアナトミー』みたいな試行錯誤はしていなかっただろうと思う。早くに名が売れ過ぎるのも問題だ。ちなみに精神病院で知り合う妻殺し未遂男のパラノイアにワイズマンのデビュー作を思い出したが意図したオマージュなのだろうか。

 

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  • Re: 概念的配置

    2006/05/28 by 未登録ユーザ 素子様命

    「ジェイコブス・ラダー」はいいご指摘。
    主人公の名:ジャックはジェイコブの愛称ですから。
    そうジャックはジェイコブ→ヤコブであり
    認識日の誕生日によると12月25日生まれのあの人だったりもする、
    そういう宗教的ひっかかりが設けてあるようです。
    精神病院で知り合う男性の世迷言が、
    黙示録がらみの妄想なのも
    どうも映画内ではある一貫性を持つ“ひっかかり”みたいですね。

    ついでにいうと、単身赴任中のダンナに
    「今日こんな映画を見た」という話をしたら、
    禁止された精神病の治療の部分が、
    「アルタード・ステーツ」という映画を思わせる、と言われました。
    こちらの方がより禁止前に実際に行われていた
    治療形態に近いと思われます。
    この映画では主人公は宗教的啓示を受けて
    キリストの幻影をみるとか。
    たぶん監督か脚本家には、「ジェイコブス・ラダー」も
    「アルタード・ステーツ」も念頭にあったんでしょうね。

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