カポーティ (2006)
»レビュー
うまくいっていない。
2006/11/12
by
odys
フィリップ・シーモア・ホフマンの演技はたしかに悪くない。
最初はそれが社交界でのカポーティの振る舞い方などに巧みに活かされていて、面白くなりそうだという予感があった。
しかし、映画が進行するにつれ、この予感はうち砕かれる。問題は殺人犯に取材しているうちに奇妙な友情めいたものが芽生えるというところだが、ここがうまくいっていないのだ。
これには殺人犯の造形もからんでいる。偶発的に人を殺してしまう可能性は誰にでもあるかもしれないが、カネを奪おうとして一家4人を殺すとなると話は別だ。殺人犯の恐ろしさ、みたいなものをカポーティは感じなかったのか。この映画では、そうした恐ろしさが出ていない
いや、恐ろしさが感じられないのならそれでもいい。ならば、なぜそういう、ごく普通の人間が一家四人惨殺という罪を犯したのかについて、そうとうつっこんだ分析がなされなければ、説得的な映画にはならないだろう。この映画の根本的な欠陥はここにある。作家と殺人犯の単なる友情物語だけではダメなのである。
というわけで、私は途中から退屈してしまい、眠気を振り払うのに必死だった。カネ返せ、にかなり近いレベルの作品だと言わざるを得ない。
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Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
コンパウンド
でも、その部分って、本家の『冷血』にあるわけで・・・。
でも、よくいわれる
「原作を読まなければ分からないなら、一本の映画としては×」
というヤツじゃない。
元から、カポーティという作家の一部分を使って物語を語ろうとしていることは明らかで、ある意味、恐ろしくない者による殺人と、恐ろしい作家の出会いを描くことで、何かを表出させようとしているのであって、カポーティの造形がまんまこの殺人犯のキャラクターも表しているわけだよね。
殺人犯の恐ろしさを上回るカポーティの恐ろしさと、ゆえに現れるある人間の内面の複雑さとか、をね。
それを示すセリフが「彼と僕は同じ家で育って、表口と裏口から出たようなものだ」っというようなセリフに現れているのだと思うのだが。
まぁ、すべての殺人犯が恐ろしいなら、よく聞く殺人犯とかの知人がいう「そんな人には見えなかった」とか、ありえないと思うのだが。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
odys
>恐ろしい作家の出会いを描くことで、何かを表出させようとしているのであって、カポーティの造形がまんまこの殺人犯のキャラクターも表しているわけだよね。
>殺人犯の恐ろしさを上回るカポーティの恐ろしさと、ゆえに現れるある人間の内面の複雑さとか、をね。
このあたり、よく分かりません。もう少し分かりやすく書いて下さい。
>すべての殺人犯が恐ろしいなら、よく聞く殺人犯とかの知人がいう「そんな人には見えなかった」とか、ありえないと思うのだが。
いかにも恐ろしそうに見えるように殺人犯を設定しろ、と言っているのじゃないんですよ。
4人も殺したからにはどこか普通の人間と異なるところがあるはずで、作家カポーティはそこをとらえなければそもそも作品が書けないはずでしょう? カポーティがそこをどう認識したのかが、映画に表れているようには見えませんでした、と私は言っているのです。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
コンパウンド
うーん、だから、この映画ではカポーティの側に異常性を託し、殺人犯であるペリーには普通さを象徴させ、複雑なネガポジ像を表出することが狙いでしょう。
殺人行為は異常、執筆行為は通常、作家のカポーティが異常で、殺人を犯したペリーが普通であると見せることで、人は人を何で判断しているのかという言葉ではとても背罪しきれない何かを捕らえようとしているのだろうということ。
ペリーの異常性は『冷血』にあるからこそ、この映画では、険的な物語に挑めるともいえるわけだ。
ペリーを普通の人に書いてるのは狙いでしょってこと。
でも、カポーティの異常性でそこを浮かび上がらせているのだと見える。
ゆえに映画を一手に背負うF・シーモア・ホフマンの演技が圧倒的でなければならない。それを体現しているからこその評価だろう。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
odys
どうもあなたの言っていることは理解できません。自分で自分の言ってること、分かってますか?
カポーティが普通の人間と違う、というのはよろしい。ちなみに、作家だとか画家だとかのいわゆる芸術家には変わった人間が多いわけで、そのこと自体は別に特別力説する必要もないでしょう。
しかし、ここで問題になっているのは一家四人惨殺事件ですよ。殺人犯は普通の人? じゃあ、普通だから殺したのですか? それなら、世の中には殺人犯がうじゃうじゃいていいことにりますね。
実際には世間には殺人犯は少ない。殺人犯が普通の市民とどう違うのかをかぎ分けるのが、作家の仕事でしょう。それを書けないのでは作家ではないし、また映画化に際してその部分を描けないのでは、作家を描いた映画として失格だと私は言っている。
そういう中で、いくらカポーティの「異常さ」を強調したって、映画の欠陥を擁護したことにはならないと思うけれども。
だいたい、あなたの言う「異常さ」って何ですか? この映画で見る限り、カポーティは多少変人で多少共感能力に優れているとは思うけれど、そのくらいの人間なら一家四人惨殺犯に比べれば世の中にたくさんいると思いますがね。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
コンパウンド
23歳で天才の名をほしいままにし、書いた作品をことごとく歴史に残した作家で、ゲイで、社交界でも一目置かれた男が、一家4人惨殺殺人犯と同じくらいいる?
この映画的にいえば、世界で初めて殺人犯本人と親しくなるほどに徹底取材して小説化しようという人間、しかも、班員の前では、同情的で、それ以外の目では冷徹さを見せ、有名人を楽しませる話術を持つ男が普通?
そりゃ、この映画が退屈なわけだ。
ここで言うさkkが監督なのか、カポーティなのか分かり辛い。
どちら?どちらも?
あと、『冷血』は、この映画の原作ではないのは承知ですよね。
殺人犯が普通の人間とどう同じなのかを書きうるのもまた作家でしょう。
その普通の部分を強調して、この映画は描かれているといっているのであって、ペリーの相棒をあえて、わずかにしか描いてないのもその一部。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
odys
えーと、論じるときはあくまで映画をベースにしてくれませんか。あなたはこう書いている。
>23歳で天才の名をほしいままにし、書いた作品をことごとく歴史に残した作家で、ゲイで、社交界でも一目置かれた男が、一家4人惨殺殺人犯と同じくらいいる?
こういう知識が、映画を見るのに何の役に立ちます? 映画は、そういうことを映像と物語をもって観客に実感させなきゃいけないんですよ。それができないならダメ映画なの。じゃなきゃ、どんなダメ監督でもカポーティをモデルに映画を作れば傑作、という結論になっちゃう。
>この映画的にいえば、世界で初めて殺人犯本人と親しくなるほどに徹底取材して小説化しようという人間、しかも、班員の前では、同情的で、それ以外の目では冷徹さを見せ、有名人を楽しませる話術を持つ男が普通?
誰がカポーティを普通だと言いました?
それにしても、あなたの挙げる事項って、陳腐ですわな。だってルポ作家という職業が確立した現代からすれば、取材に手間暇かけるのは当たり前でしょ。それに相手次第で同情的だったり冷徹だったりするのは、普通の人間にもよくあることだしね。別にカポーティの特技でも何でもないよ。話術だって然り。
もし、そういうことが分からないのだとすると、あなたは世の中を知らなさすぎるのだよ、きっと。
だからこの程度の映画が面白く思えるんじゃないかな。
>殺人犯が普通の人間とどう同じなのかを書きうるのもまた作家でしょう。
殺人犯を普通の人間として書いて、どこが面白いの? 本を買う人は、殺人犯が普通の人とどう違うか知りたいから買うわけでしょ。或いは、普通であってもいいけれど、ならば普通の「普通の人」は殺人を犯さないのに、たまたまその「普通の人」だけはなぜ殺人をやってしまったのか、知りたいと思うから買うんでしょう。
そういうことが書いてないなら、そんな本は読む価値がないし、そんな本を書く人間が作家として評価されるはずもない。
>その普通の部分を強調して、この映画は描かれているといっているのであって、ペリーの相棒をあえて、わずかにしか描いてないのもその一部。
だから、そこが失敗作たる所以だ、ってのが私の主張なんだってば。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
コンパウンド
おいおい、ちょっと待ってよ。
『カポーティ』を観に行ったんでしょ?
カポーティを主役にしているからこそ、殺人犯が普通の人に描けるという設定があるわけじゃない。
で、『冷血』には、殺人犯に向けられた冷徹な視線が充分に発揮され、ルポを超えたノンフィクション小説というジャンルを生み出した作品。
現代で、ルポ作家がいくらいようとも、この分野では、『冷血』が最初。
で、この後、長編を完成させることはないわけね、カポーティは、その理由を『冷血』の執筆にあったとカポーティもわずかに言及している。
では、その時、何があったかを、ある意味同様のノンフィクション小説に近いスタイルで、描き出そうと言う映画でもある。
こういう部分を知らないでこの映画見るのはどうかと思うぜ。
知らないから見ちゃダメってことはないけど、面白くない可能性はかなり高いでしょう。
あなたが求めていることは『冷血』にあるから、それ読めばいい。
で、こちらは、それを書いた背景を映画化してる作品であって、そこらを理解している人に向けて作った作品なんだよ、この映画は。
それが、そこを知らなくても、そういう史実を基底にしているからこそ生まれる深みによって、こういう扱いになった映画なの。
元から、あなたが求めてるところと、この映画が目指した点が違っていて、そこを外しているっていう話をしてるわけだ。
あなたが、面白くないのは自由だけど、その指摘してる部分は、この映画があえて外している部分なのよって話をしているの。
まぁ、不幸でしたね。
でさ、よく、映画は一本の映画で完成していなきゃとか言う人多いよね。
まぁ、それは好みだから、はい、そうですかだけど、実際には、別の作品を元にしての作品とか、歴史的にも当たり前なんよ。
例えば、最近の映画では、『クイルズ』とか、『リバティーン』とか、『A.I.』とかさ。
落語でも、元の歌を知ってて当然としての『千早振る』とかさ。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/12 by
コンパウンド
そういや、『トンマッコルへようこそ』とかもそうだわな。
朝鮮戦争の下地の知識なきゃ、ある種の理解は無理でしょ。
楽しめないとは言わんけど。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/13 by
odys
映画に限らないけど、或る作品が文脈依存的である、という主張は分からないでもない。落語だって江戸時代の常識だとか前提になる知識があって初めて楽しめるわけで、小説だとか映画にも多少そういうところがあるのは、まあ分かる。
だけどね、カポーティが日本においてあなたの主張するような大量の予備知識を求める権利のある存在かっていうと、そんなことはないんじゃないか。シェイクスピアやドストエフスキーならいざ知らず、カポーティの名前は日本じゃそれほど認知度が高いとは言えないぜ。
だいたい、あなたのようにカポーティについての大量の予備知識を要求するなら、この映画を見る理由はどこにあるの? 文字での知識を追認するだけしかこの映画には存在理由がないのかい? だったらやっぱり駄作なんだよ、これは。
>それが、そこを知らなくても、そういう史実を基底にしているからこそ生まれる深みによって、こういう扱いになった映画なの。
どこに「深み」がある? ないんですよ、全然。殺人犯を普通の人間に描いてどこに深みがあるのかな?
こちらの見解を率直に言うと、主役のシーモア・ホフマンはたしかに個性的な俳優だと思うけれど、この映画はそこに頼りすぎているんだよね。彼の個性を活かした作品じゃなく、個性に負ぶさった作品になっているわけ。殺人犯を描けていないのもそこから来る。本来、作家の苦悩というのは関係性と自己完結性の狭間から生まれるものだけれど、この映画でのカポーティは完全に自己完結していて関係性に自分を開いていっているようには見えないのだな。だから、一人芝居の印象しか残らないわけ。それは、殺人犯の恐ろしさ(普通であることの恐ろしさでもいい)をきちんと描かなかった当然の帰結だろうね。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/13 by
コンパウンド
まぁ、でもこの映画の評価はその深みを認められてのことだし、私はそれを私なりに、説明しているだけにすぎない。
ホフマンだけが評価されているわけではないのは、<リンクURL>を見ても明らか。
まぁ、賞でどうこう言うつもりではなし。
ただ、普通に描かれた殺人犯と異常なるカポーティの比較がこの映画の肝だと見ているから、そちらの意見は見当違いのイチャモンにしか見えんよということ。
ペリー役の彼がことさら輝いて見えないこともこの映画の狙いでは真っ当だと言ってるの。
そういったルールから外れていたカポーティを題材にしている映画だからこそ、この規定外の映画が成立した要因だろう。
だって、あなた自身がペリーを普通だと思ったということは、そう描かれた可能性もあると考えて欲しい。
その上で、それはこういう理由でダメなんだという意見には、まだ耳を傾けられる。
あと、カポーティの膨大に知識って、ネットで彼についての1ページぐらいの説明をで充分だと思うぐらいのもんだぜ。
『冷血』には、恐ろしげに書かれているペリーだが、この映画の原作者は彼からのカポーティへの手紙や知っている人にも会うことで、『冷血』とは違う印象の人物として描写をしたという事実もある。
(プログラムに記載) -
Re: うまくいっていない。
2006/11/14 by
odys
あなたって、ついにこの映画の魅力を自分で説得的に説明できなかったね。
リンクって何かと思えば・・・・(笑)
いや、リンク先でもシーモア・ホフマンは褒められているけれど、他はどう?
あれを読むと、オレの感想が正しかったと考えざるを得ないな。
まあ、他人の評価はどうでもいいわけ。
問題は、この映画でカポーティが苦悩する姿は描かれているが、なぜかというところに関してはどうもうまくいっていないし、それは主人公以外の人物が描けてないことに原因がある、ということなんだよ。さんざん言ってきたけれどね。カポーティを苦しませる関係性を作品が捉え損なっている以上、駄作と言うしかないな。
殺人犯を普通の人物と描いても、衝撃的でも何でもないの。普通の中の狂気だとか殺気を描いて初めて作家だったり映像作家だったりできるわけでね。さらにそれがカポーティの独特の個性にどう反映したのか、もこの映画ではさっぱり出ていないね。関係性の中でこそ、映画は映画たり得る。モノローグだけでもできてしまう文学とは違うよ。俗にだけれど、脇役のうまい映画は面白いって言うだろう。この映画は主役以外は全然ダメだし、それは役者の責任というよりは監督など制作側の責任だろう。だから駄作だとオレは言っている。
パンフについては、あんまり正当化に使わない方がいいと思う。だって、この作品は駄作です、って正直に書くパンフなんてないもの(笑)。
ちなみに、オレはこの映画見てもパンフを買いたいとは思わなかったな。パンフを買いたくなる映画ってのは、たしかにある。それは、映画自体に或る程度インパクトがある場合に限られる。自分の受けたインパクトが独りよがりなものでないかどうか気になり、自分の気づいていない部分がありそうだという予感がするときは、買う。この映画に関しては、単なる駄作であって、自分の知らない知識を仕入れれば傑作に見えるだろうという予感もなかったね。
つまり、パンフを援用できる映画と、そうでない映画があるわけ。この映画は明らかに後者だろう。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/14 by
コンパウンド
あなたは、他の人の感想でどうなるお人じゃあるまい。
別に独力であなたを説得しようというわけでもないが。
何を勘違いしてるのか知らぬが、こちらの文章でも、“賞”で、と書いたある。
個人の評価ではなく、公的な評価に目を向けるのが、まず最初だろ。
なのに、誰か分からぬ感想に目を向けるのはどうかしら?
きちんと、ペリー役ではないが、助演女優賞も受けているし、脚本賞の受賞の多さは、その確かな構造に評価がある理由にはならんかね?
いわば、監督の狙い以外のところも評価されている。
駄作だから、プログラムが援用できない?
そんなことは評についてだけだろう。
大事なのは、プログラム云々でなく、記事の内容。
原作者と脚本家による記事が載っているから、事実と書いた。
プログラムに記載は、ソースがどこか明示しただけ。
こちらは作品分析、作家の証言、実評価、その他から、こちらの意見である、殺人犯を普通に描くことで、この作品はこの物語語っているのだと、言ってる。
しかし、そちらは、ご自身の高説を、証明することもせず、作品の分析ではなく、自分の印象だけで論を展開されても、議論にならない。
論理だてて、殺人犯が普通であってはならない理由を述べられるのか?
それだけで、駄作である理由を。
しかも、こちらは、その説で言うところの、普通で無いところは、カポーティ自身の筆による『冷血』に十分描写されているから、まるで、殺人を犯していないかのような人物として、描くのも可能であったとも、述べているんだが。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/15 by
odys
あのねえ、賞ってのは、「他人の評価」なのだよ。分かるかな?
映画の評価はあくまで自分ですべきものなの。無論、他人の意見を聞くのは悪くない。しかしそれを受け入れるかそうでないかは、あくまで自分でしょう。
賞をとったから「公的」? おいおい、冗談もほどほどにしてくれ。自然科学での学問評価ならいざしらず、文化での評価に客観性なんかないんだよ。そのくらい知らないの?
じゃあ、あなたはどこそこの映画賞を取った作品は全部高評価、そうじゃなきゃ低評価なのか? いくらあなたでもそこまで他人志向じゃあるまい。
一般論的に言うと、映画賞ってのはアテにならないとオレは思っているよ(文学賞だってアテにならないけどね)。アカデミー賞とったってつまらない映画はたくさんある。賞という権威の上でしかものを言えないあなたは、かえって自分の貧しさをさらしているのだってことに気づいて欲しいな。
>こちらは作品分析、作家の証言、実評価、その他から、こちらの意見である、殺人犯を普通に描くことで、この作品はこの物語語っているのだと、言ってる。
>しかし、そちらは、ご自身の高説を、証明することもせず、作品の分析ではなく、自分の印象だけで論を展開されても、議論にならない。
全然逆でしょ。
こちらは、この作品がシーモア・ホフマンの個性と演技だけによりかかっていて、殺人犯との関係性から何かが生まれるところを全然描きえていない、とちゃんと分析しているよ。
それをくつがえすだけの論拠をあなたは挙げていない。殺人犯が普通の人間なのがいい、なんてトンデモ説を出すだけ。そこからあなたは一歩も進んでいない。そもそも、あなたは普通の人がなぜ殺人を犯すのか、説明できてないでしょ。
あなたは作品に即して論じることができない。賞だとかパンフだとか、徹頭徹尾映画から離れてしか評価ができない。外在的なところによりかかって映画を論じているのは、あなたがいかに映画を映画として見ていないか、他のところから持ってきた評価でしか映画を論じられないかを証明している。
>論理だてて、殺人犯が普通であってはならない理由を述べられるのか? それだけで、駄作である理由を。
>しかも、こちらは、その説で言うところの、普通で無いところは、カポーティ自身の筆による『冷血』に十分描写されているから、まるで、殺人を犯していないかのような人物として、描くのも可能であったとも、述べているんだが。
まるで分かってないね。殺人犯が普通であったら、じゃあ普通人は皆殺人を犯すのかって、オレは最初から訊いているじゃないか。あなたはそれに答えていない。ちゃんと答えろよ。
カポーティが『冷血』で殺人犯が普通でない部分を書いているなら、なんで映画でそれを描かないのか。まあ、あなたの説明によると制作者側の独自の分析によるらしいが、オレに言わせればそこが敗因なんだってば。
だいたい、『冷血』にこう書かれているから映画では描かなくてもいいなんて、論理的に倒錯しているとしか言いようがない。映画は書物に比べるとはるかに大衆性を持つ。つまり、本は読んでいないが映画は見る、という人間の方が圧倒的に多いわけ。したがって、映画製作者は観客が本を読んでいることを前提にして作っちゃいけないのだよ。わかんないかなー。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/15 by
コンパウンド
こちらも、賞で決まるわけではない、とは前置きしているが、大量の賞の受賞(特に賞自体の評価も加えよう)は、公的な評価を持ちえる。
何が公的か?公式な記録に残るということだ。
(公=おおやけ→国家、社会、表立ったもの)
その上で、それが正当かどうかは問われるのはしょうがない。
脚本、監督の評価ね。
んでさ、こっちは、あなたにとって駄作であることは、別に責めてないよ。
自分で評価を下すしかないだろう。
こちらは評価の話しているわけでなく、この作品の意図の取り違えについて、指摘しているだけだ。
殺人犯が普通だというのは、あなたも、わたしも認めている。
で、こちらの主張は、それが、この映画の意図だってこと。
それを伝えるために、第三者や作家の言葉を引用しただけ。
映画の中にあるってのは、最初に書いてますから。
だいたい、現実に、殺人犯が異常であると証明されたのだろうか?
殺人は異常な行為だ。しかし、例えば、緊急避難などによる殺人は罪を問われない。
だから、殺人犯が普通であることが基本で、普通でない証明がいる。
表現媒体で、殺人犯を異常に書かなきゃいけない理由も分からないし。
殺人犯でなく、殺人が異常であることは、この映画でも、社会的な状況として説明されてますし、その説明者としてカポーティも行動する。
『殺人狂時代』のような普通の人による殺人によって、風刺をしている作品もある。(あなたに、チャップリンが異常に見えたとしても、あの映画の中の意図では普通の人として描いているわけ)
ゆえに、そちらに説明の必要があるんですよ。
あと、小説『冷血』は、たいていの映画よりも、読まれて、歴史的にも評価されている。
この映画自体、万人を対象に作られていない。
それも分からない?
元から、『冷血』を前提に書かれた原作があって、それを元に映画化してんだし。
だから、小品なのだが、その評価によってこのような規模に伝えられたってのも書いてるしね。
それもまた評価の証明だ。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/16 by
浪花のロッキー
ああ…面白いよー面白い!もっと続けて〜。
odysさんはぶっちゃけムチャクチャ言ってるのに(世間一般的にね)
コンパウンドさんにそれを収束させるだけの説得力がないんだよなー。
こりゃコンパウンドさんが変なところに噛みついちゃった自業自得だな。
レベル低いよなー。頑張れー。ウヒャホッホー。
ちなみに私自身は「カポーティ」は今年を代表する傑作だと思うよ。
odysさんは何も分かってないというか、青過ぎるよね!
おとといきやがれ、この詭弁小僧め!…って私は傍から言えるけど、
コンパウンドさんは言えないよね、このレベルで躓いてたら…あーおかしい。
まあ、どっちもどっち、頑張ってね!つーかコンパウンドさん、ちゃんとしなよー。
こんなの、いろはの「い」じゃないのよさ。みっともなーい(笑) -
Re: うまくいっていない。
2006/11/16 by
odys
浪花のロッキーさんへ
黙ってろ、脇から口出すしか能のない洟垂れ小僧!
帰って自分のケツの穴でもなめてろ!
これでいいですか(笑)
コンパウンドさんへ
最初に議論が戻ったような気がするけれど、結局普通の人間がなぜ殺人を犯すのか、そこを描かなきゃ話にならないし、普通の人間が殺人犯であるのがそれほど衝撃的ならばそこをそれと分かるように描かないといけないのだが、、それができていないということなんだよ。
>しかし、例えば、緊急避難などによる殺人は罪を問われない。
>だから、殺人犯が普通であることが基本で、普通でない証明がいる。
最初の文章と二番目の間にはすごい論理の飛躍があるよね。最初の文章は正当防衛ということで、これは誰でも当たり前だと思うこと。
2番目の文章は意味をなさない。逆なんだよ。正当防衛でもない殺人犯が普通であるなら、その理由をちゃんと説明しなきゃ誰も納得しないの。
>表現媒体で、殺人犯を異常に書かなきゃいけない理由も分からないし。
これも逆。殺人犯を普通に描くのにはそれ相応の理由がいるね。
>殺人犯でなく、殺人が異常であることは、この映画でも、社会的な状況として説明されてますし、その説明者としてカポーティも行動する。
その説明が不十分だし説得的でない、と言っているわけ。
>あと、小説『冷血』は、たいていの映画よりも、読まれて、歴史的にも評価されている。
>この映画自体、万人を対象に作られていない。
映画というジャンル自体はもともと万人向けなんだよ。
問題があるとすればこの映画自体だろうね。
作品には説得性がないのに、ホフマンの演技(そこだけはオレは認めてるよ)にだまされる形で何となく評価しちゃっている、というのがオレの見方なんだな。
作家を材料に映画を作るって、実は相当難しいと思う。音楽家なら音楽を奏でさせれば形がつくし、画家なら絵を出せば同じ視覚芸術と言うことで格好が付く。つまり、その製作物を映画の中で観客にそれと実感させることが容易にできる。
文学者はそうじゃない。
この映画でも、『冷血』という作品の中身には少ししか触れていない。
だからこそ、作家と殺人犯との葛藤が映画内できっちり描かれる必要があるんだよ。そこを描いてこそ、「ああ、この作家はこの葛藤を文章化して、だからこそベストセラーになったんだな」と観客は納得する。
ところがこの映画は逆。殺人犯との作家の対決もないし、殺人犯の中にある何が犯罪を犯させたのかという洞察もさっぱり出ていない。
ということは、つまり、この映画のカポーティを見ていても、ここからベストセラーが生まれるとは到底実感できない、ということになる。
だから駄作だ、とオレは言っているわけ。
そこにいくら外部の知識だのパンフの内容だのを持ってきても、無駄なんだよ。
結局、あなたの書いていることは、実物のカポーティとか『冷血』とか映画以外の要素を沢山並べ、その中にこの映画をはめこむことで評価しようとするってことなんだよね。
思うに、それはこの映画に賞を与えたり、ノミネートしたりした連中の姿勢と同じものなんじゃないだろうか。
それが邪道だ、というのがオレの考えなんだよ。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/17 by
コンパウンド
odysさんへ。
こちらはそちらのその意見を下に至る理由の証明を求めているのであって、いわば、弁護側の私が、検察側odysさんに、被告である映画『カポーティ』の犯したことの証明を求めているわけ。
で、こちらはこちらで、主張を通すために証拠を並べてみせてもいる。
こちらの証拠をひたすら、否定するのなら、まず、そちらの証拠を出しなさいよって言ってるの。
それは、あなたの邪道とか映画への考えとは別のことなの。
で、それを証明しない限り、もうこれは平行線だな。
浪花のロッキーさんへ。
あなたも現時点ではodysさんと同じです。
主張だけで、それに内容がともなってない。
まずは、証明してみせんさい。
茶々入れて、笑ってたいだけ?
まぁ、それはその態度に読んでる皆が同じように、あなたを笑っているということだ。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/17 by
odys
映画を普通に見れば当たり前に感じられることを言っているに過ぎないのだけれどね。
この映画の不出来はそれなりに説明したし、それに反駁するに映画以外のところからいくら材料を持ってきても意味をなさないだろうということ。
まあ、振り返ってみるとすれ違いの連続だったのかも知れない。
新しい材料が出されれば別だが、今のままでは進展が見られないようだから、とりあえずはこれでおしまいとする。 -
Re: うまくいっていない。
2006/11/18 by
コンパウンド
odysさんへ。
いや、だからさ、不出来の説明じゃないってばよ。
こちらが求めているのは、不出来だとする根拠、
>これには殺人犯の造形もからんでいる。偶発的に人を
>殺してしまう可能性は誰にでもあるかもしれないが、
>カネを奪おうとして一家4人を殺すとなると話は別だ。
>殺人犯の恐ろしさ、みたいなものをカポーティは
>感じなかったのか。
>この映画では、そうした恐ろしさが出ていない。
を述べるにいたる、殺人犯は恐しくなければいけないということの説明なんだって。
何で、“話が別”なのかということの説明だな。
まぁ、出来ないからしないってことなんだろうなぁ。
あとは、すごい説得技術をお持ちの浪花のロッキーさんがかいてくれるんでしょ。 -
Re: うまくいっていない。
2007/03/29 by
ぷぷぷ
なんか、odysの年齢も精神年齢も分からないけど、28才のカポーティーの作品を読んだことも無い俺はこの映画をみて、非常に面白く感じましたよ。この映画の焦点はカポーティーであって、そしてカポーティーの異常さでしょう。
殺人犯=異常・冷血
という、図式をこの映画に出てきる論壇も大衆も求めていて、その図式の中カポーティーも作品を仕上げていく。その作品を仕上げるためにカポーティーは作家としての冷血さと異常さを深めていくことでね。
その進行が面白いわけで、別に殺人犯の動機とか人間性などはカポーティーの異常さを描くための対照素材に過ぎないわけでは?少なくともこの映画の中ではね。
なんか、君が求めてものは、殺人犯の異常性やら動機などが書かれている別の映画「ペリー」でも探した方が良いんじゃないかな。
すくなくとも俺が他に無い、面白いと感じたカポーティーに焦点をあてた映画「カポーティー」にはいらないかな。団長。焦点がぼけて緊張感が無くなる。
もうちょっと自分が見たい映画に沿うか沿わないかではなく、映画を評価して上げようね。 -
Re: うまくいっていない。
2007/08/05 by
ざわわ
「カポーティ」
先程DVDで見終わりました。
基本、ぷぷぷさんと同様の感想ですが・・
obysさんの意見には偏重があるとはいえ、
しかと自分なりの論点で語ってると思います。
ただ、
ごく一般的な罪に対する社会認識が
obysさん自身が強すぎるのか、
>普通の人間が一家四人惨殺という罪を犯したのかについて〜
ちゃんと「描写」してるものの、
その説得の部分を見逃したと、感じます。
これはタイトルのごとく
「カポーティ」という映画。
映画は様々な側面からカポーティの心情を
しかと表現してます。
それらを見事な編集で集約しており、
犯人へ関心を抱く様子が分かりやすかったです。
決して稀薄ではありませんでした。
例えば、
いつもパーティで「ティファニーで朝食を」の
自慢話を無理に誇示して話すカポーティ。
そんなシーンを何度もリフレインするのは、
カポーティ自身の虚像をより印象づけており、
ノンフィクション小説作家への軌道として、
描写されています。
私はobysさんの意見を否定するわけでは
ありません。
しかし、
>途中から退屈してしまい、眠気を振り払うのに必死だった。カネ返せ
↑これはobysさんの罪への正義感が先立ち、
映画全体を見据えるに至らなかったのではと、
思います。
コンパウンドさんの意見は・・・
ごめんなさい、私も分かりません(^^;)
伝える技術は私もまだまだですみません。 -
Re: うまくいっていない。
2008/02/10 by
ぐず(18)
今更言っても何にもなりませんが、、汗
私はDVDで観たクチですが、面白かったっすよ。
映画『冷血』を先に見たせいかもしれないけど。
楽しむための予備知識が一切いらない、とは言えない映画だけど、もし私が『冷血』を観たことも読んだ事もなくて、カポーティの作品を一切読んだことがなかったとしても、この映画の評価は
『あ〜結構面白かった〜』になると思います。
何でって言われれば、ざわわさんとかぷぷぷさんが上手いこと説明してくれてる通りなんですけど。。
何処が描けてない、伝わらない、と指摘するのは簡単だけど、もしかしたら自分の見逃していたところで表現されていたのかもしれない、…ってこともある。
それがストーリー重視の映画で話の起伏があってあー面白かったー、とか、音楽やカメラワークが滅茶苦茶かっこよくて良いなぁこの映画、とか、なんと言うかエンタメ系?の映画なら、評価を下すべき点は明確だし、テーマもはっきりしてるから、その映画の良し悪しは簡単に自分の感性で決めちゃってもいいと思います。
ただある程度の予備知識、もしくは読解力みたいなもんを要求するタイプの映画では、あんま極端な評価は下さないほうが良いような…汗
退屈、カネ返せ、はちょっと言いすぎ。
良い映画だと思いますよ。
私なんか、つい、この映画にちらっと出てきた『アラバマ物語』まで借りてきたくらい。(そっちも面白かった)
いや、本当に今更な割り込み意見ですけどね…汗
失礼しました。
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