カポーティ (2006)
»レビュー
正義と公正と自由のその先には闇もある
2008/03/27
by
Baad
この映画は「カポーティ」その人を描いている以上に映画『アラバマ物語』のその先を描いた映画でもある。
『アラバマ物語』の少女は成長して「カポーティ」の良き友人となり、彼女の書いた物語の映画のプレミアで映画にも新しい友人として描かれていたかつての少年は、かつての少女に映画の感想を聞かれて、一人つぶやく「それほどでもなかったよ。」
別に映画の出来が悪かったわけではなだろう。その映画の世界の論理がとうに通用しない次元にまで、彼は既に踏み込んでしまっていたのである。
ペリーの死刑当日の周囲の対応を見ると、その辺のことにいくらかでも気付いていたのはカポーティ本人だけだったのかな、という気もするのだが、この辺は先駆者につきまとうリスクなのだろうか。
カボーティの『冷血』だけでなく、上手に距離をとっていたネル・ハーバー・リーの回想録なども存在したら読んでみたいな、と思った。
その前に、『アラバマ物語』の原作を読むのが正しい順序なのだろうが、良く出来た映画の原作をわざわざ読むのはいかにも面倒くさい作業である。
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