トム・ヤム・クン! (2005)
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全力の真面目映画
2006/05/03
by
りんぼ
「マッハ」を見た時に思ったことだが、内容がシリアスだったのが意外だった。
そもそも予告で「CGは使いません!」などと大笑いさせたのがきっかけである。
今回も見る前まで、どこかそのイメージが残っていたのは事実。
しかし、この映画も「マッハ」と同様、或いはそれ以上に真面目な話でした。
最初はなぜ象? という感じで遂にギャグになるのかと思った。
しかし映画で象と人々の関係を見せられ、象が象徴するものが何なのかがわかると、私は映画に入り込めた。
そのせいか、私は主人公の行動にほとんど違和感を感じなかった。
理性的に考えればどう考えたっておかしい。
主人公がやっているのは言ってみれば殴りこみだ。
突然現れて「象を返せ!」って、普通に考えてみれば無茶苦茶です。
だが、その無理矢理さをトニー・ジャーが全力でねじ伏せている。
そのパワーが桁違いなので、こっちはもう納得してしまうのだ。
これは本当に理屈を超えているとしか思えない。
アクションと格闘に関しても心底楽しめた。
どのシーンも見る者を圧倒する力がある。
長撮りのシーンも驚かされたが、個人的にカポエラとの対戦が気に入っている。
「マッハ」では対戦よりもアクション重視だったが、この映画はやや対戦に重きが置かれている。
それが今回、主人公に感情移入出来る要因になっている。
なにより主人公の怒りと悲しみが全面に出たところが良かった。
本当に予想外だったのが、その悲しみにちょっと泣けてしまったことだ。
この映画が単にアクション映画の枠に留まらず、作り手も留まろうとしていないのではないか?
彼らは背景にあるタイの問題を真剣に考えようとしている気がする。
そして、それらの問題にトニー・ジャーは真正面から全力でぶつかっていく。
その圧倒的な姿にタイの観客ならずとも魅せられてしまうのだろう。
ところで、ワンシーンだけ某有名俳優が友情出演していたが、将来的に共演なんてことはありそうでちょっと期待している。
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