立喰師列伝 (2006)
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楽しませる気は薄い
2006/09/22
by
Hiro
押井守は嫌いじゃない。
むしろ、好きなほう。
地味な話も、ペダンティックな科白も嫌いじゃない。
嫌いじゃないけど、今回は、厳しい。
『立喰師』という、屋台などの食べ物を、いかにしてただ食いをするか、という架空の職業(?)を生業にした人間たちを介しながら戦後から現在に至るまでの昭和という時代の流れを描いている。
…らしいのだけど、いまひとつぴんとこない。
虚実の入り混じった時代背景の説明も、装飾過多のナレーションも、今回ばかりは空回りして効果を得ていない…というより、僕には何の効果ももたらさなかったというほうが正解か。
絵と実写の境界線のような映像は、まるでNHK教育番組のようなシュールで荒いCG。
これまで見た押井作品は地味で緻密できわめて写実的だという印象だったけど、今回はかなり装いを異にしている。
出演者も本来裏方の人間ばかりで、いつにもましてプライベートな造り。
予算も製作期間も小規模で、自主制作作品の匂いに近い。
監督の趣味のみが反映された、かなりニッチな作品。
好きなヒトにはたまらないかもしれないが、好きなヒトがどれくらいいるのやら…
宮崎駿がコレをやったらただじゃすまないだろうけど、諦められている押井守だからできる、そういう意味では貴重な作品。
間違っても、押井作品を知らないヒトが受け入れられるものではないと思う。
せめて、ナレーションが千葉繁だったら、もう少し…なぁ。
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