日本沈没 (2006)
»レビュー
特撮にダメ出し
2006/07/18
by
あっさん
この映画、特撮シーンはわりと評価されているように思えますが、この程度でいいんだ、という印象をプロの方々に持たれてしまいますと、日本映画の将来が暗い事になると思います。そこでピンポイントで特撮にダメ出し。
何がダメかというと、映像の起承転結がまるでダメ。例を挙げますと、六本木のヒルズタワー崩壊シーン。ここは本来「起:真っ直ぐ立つタワー」「承:崩れるタワー」「転:倒壊」「結:舞い上がる破片、土煙」だと思うのですね。ですが転結がないまま別の画面になってしまいます。
それから、崩壊途中で炎や水で画面が覆われるカットが何回かありましたが、これも転結を隠しているに過ぎません。
更に、津波のシーンでは、せり上がる津波は人の視点から描いていても、実際に襲いかかるシーンでは俯瞰になってしまいます。これも逃げの転結。
そうそう、飛行機墜落シーンでは転が抜けてましたね。
何故そうなのかは簡単、予算と時間、そして技術力の問題でしょう。地に足の着いた合成は難しいのです。物体や火、水が地面と接触する映像ような合成が。上側のみであるならば、例えば爆発素材をそのままベタッと合成してもそれらしく見えます。ですが地面が映っている場合には、そのままの合成では爆発が浮いてしまいます。炎や破片が地面に阻まれ、跳ね返り、あるいは地を這ってゆく表現が必要です。これがとっても面倒なので、避ける事になる訳ですね。
この映画は殆どがそんな状態。
更に問題なのは起承転結の結だけの映像の羅列。清水寺や奈良の大仏、水没した大阪などですね。誰が考えてもお手軽。
予算と技術でできる事を優先するのでなく、どんな映像を人が見たいと思っているのかを、まず考えて映像を組み立てて頂かないと、進歩はないと思います。上記の難しさに挑戦している映像がハリウッドやゲームには沢山あるのですから。
長文にて失礼しました。
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