鉄コン筋クリート (2006)
»レビュー
クロシロ宝町
2006/12/29
by
りんぼ
私が特に注目したのはシロでした。
声が蒼井優ということで、かなりミスキャストのような気がしたのですが、意外に良い味になっていました。
原作は知らないのでイメージは会っていないのかもしれません。
シロは男の子だけれど、やはり女の子の声なので、クロとの関係も友情以上のものに感じてしまうところもありました。
でも、それが作品としては二人の絆を強める方向に行ったと思います。
この二人はお互い、大きく欠け落ちた部分を持つ存在です。
彼らの暴力は欠けた部分を埋め合わすためのもののように映った。
だが、そんな暴力も彼らを満たすことは無い。
二人は喪失したものがあまりに多く、一人では埋め合わすことが出来ないのだ。
宝町、というのは時代に取り残された町だろう。
全てがノスタルジックに描かれ、時代に破壊され、死に行く様は高度成長期を連想させる。
シロやクロ、それに悪ガキどもややくざたち。
彼らは全員その時代に確かに居たという存在感のある連中だ。
クロやシロは町を飛び、行き交う車や列車の上で戦う。
その有り得ない光景に違和感が無いのは、舞台が宝町だからだったのだろう。
彼ら自身、町の一部分となっているように見えたし、町の運命と彼らの道程が符号しているように思えた。
二人を取り巻くやくざや、警察に老人たち。
彼らは都市の変貌と共にその運命も捻じ曲げられていく。
やくざたちの悲壮も、そんな町に対する憐憫のように思えた。
そんな風に時代が大人たちを飲みこんで行く中、クロとシロが対峙したのは町そのものだったのではないか?
全体としてはテンポも良く、見所も多く、また登場人物の魅力がすごくある映画です。
しかし、結果から言うと私はちょっと大きな感動を得られなかった。
というのも後半で骨子の部分をややぼかされているからです。
正直、そのことはとても残念だった。
そこに入り込めればかなり感動出来るし、後味も良かっただろう。
ただ、ここは微妙なところで同じくスタジオ4℃の「マインド・ゲーム」も難解でしたが、こちらは理解していなくても入り込めた。
この差は理屈では無くフィーリングの問題なので、一概に演出の否定は出来ません。
まあ、そういう部分を抜きにしても、さすがに良く出来ている映画です。
こういう映画が出来るということは日本のアニメ全体にとってもプラスでしょう。
2人がこのレビューに共感したと評価しています。
※ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。
返信を投稿
Copyright©2008 USEN GROUP All Rights Reserved.








