魂萌え! (2006)
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何て云ったけ
2007/02/22
by
アキラ
良かったよソフィアローレンが。ヘンリーマシーニの音楽もグッと来るし、さすがヴィットリオデシーカ。ってそれは劇中劇で流れた『ひまわり』の事。映写技師って発想自体は別に上手くないけど、話の展開としてはTVよりちゃんと人間を描いてた。依存し合う関係を肝に甘ったるく描いてるTV版に対し、こっちはちゃんと精神的な自立が肝になってる。若作りにペディキュアと黒ストッキングだけで確証もなく女の勘を働かせて他人様に暴発してたような世間知らずが、物語の中で見事に成長してる。様々な出会いを経て自我を再発見する。後半になると電車の中で一口ゲロを吐いた後、口元を拭う仕草でさえ自信が満ちてて格好良く見える。
阪順の新作は熟年女性映画。やっぱり自我の喪失に対する皮肉であったり再発見のドラマがなけりゃ女性映画とは呼べない。阪順ならではの厳しい眼差しが甘ったれた物語から人間を拾い出す。専業主婦として家庭の事ばかりに追われ、世間知らずなまま慎ましく暮らしていた生活を変え少しづつ社会との距離を掴み直してゆく過程を描いたコメディ。最後の日に夫が云っていた言葉が思い出せないのは夫の目で物を見てしまっているから。自分を取り戻さなければ思い出せる訳がない。亡き夫の過去に引きずられたままの未亡人では夫との間に人間同士の関係が成り立たないから無意識の底に沈められてしまう。妻である前に母である前に人間であるという当たり前の前提を取り戻して初めて彼女は気付いたのだろう。
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