トゥモロー・ワールド (2006)
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帝国を解体せよ?!
2007/01/29
by
Baad
見ているときは重量感がある割にはあっさりした映画のように感じましたが、しばらく経ってから思い起こすと色々な意味で後々まで楽しめるような作品であり、なおかつ、もとから面白いと思っていたこの監督の過去の作品の意図を読み解くヒントまでいくつかちりばめられており、(「天国の口、終わりの楽園」はこの映画の原作からヒントを得た部分もあるのでは?とか、「リトル・プリンセス」観てこの監督はイギリスよりインドが好きなんだな、と直感したのは勘違いじゃなかった、とか)私にとっては一本で何度も美味しい、今年一番の拾いもの映画でした。
見た直後に思ったのは、やはり上り坂の中進国の監督が撮る作品は勢いが全然違うな、と言うことでした。この映画のテーマは二つあって、一つはローマ帝国的なあらゆる権威の残滓の崩壊を描くこと。もう一つは、生き物としての人間の自然な行動を描くこと。悪しき権威に寄りかからなくなれば、あとは何とか出来るだろうといわんがばかりの結末は、気持ちがいいぐらい楽天的。先進国の監督でも、70年代はこういう映画を撮ることは可能だったでしょうが、あのころはこの手の映画をこんなに予算かけて丁寧に作ると言うことは有り得ませんでした。映画におけるグローバリズムは時としてとても楽しい副産物をもたらすようです。
一見暗そうでも本質的にはかなりラディカルなこの映画、はたして採算がとれるのでしょうか。アカデミー賞がらみで全米公開は12月からだそうですが、この映画の評価が定まるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
この次は、また、ジュヴナイルものを撮って欲しいですね。
満足度はとても高いのですが、一本だけで読み切れる映画ではないと思ったので、満点にはしませんでした。
2人がこのレビューに共感したと評価しています。
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二度目を観てきましたが
2006/12/17 by
Baad
ikaさんも書いていらっしゃるように、この映画は最初観たときにどれだけの情報が視野に入ってくるかが勝負だと思いました。
興味がある方はぜひ、劇場上映で、コンディションの良いときに、出来るだけ白紙の状態でご覧になることをお勧めします。
二度目を観たのは、たまたまチャンスがあったことと、銃撃シーンをほとんど見逃しているのにこちらのいくつかのクチコミ情報を読んで気づいたことがきっかけですが、最初に掴まえたものに対する印象が深まりこそすれ、最初の時ほど多くの情報が目にはいってくると言うことはありませんでした。話の展開が早いので自然と興味を引かれた情報しか入ってこないような作りになっているようです。
二度観て良かった部分は、一度目よりそれぞれの登場人物の感情がよく見えたことです。セオの哀しみ、ジュリアンとの仲の良さ、別れたきっかけ、フィッシュの武装闘争を主張する何人かのメンバーの気持ちなどなどです。ルークやパトリックなど何でこんなに演技力のある役者をこんなチョイ役(失礼)でわざわざ使うのだろう、と思ったのですが、彼らに感情移入してみる人もいる、というのをちゃんと見越して作ってあるのですね。まさに、観る人の立場によって色々な見方が出てくる鏡の様な部分がある作品だと思いました。 -
Re: 帝国を解体せよ?!
2007/01/30 by
Baad
最近『硫黄島からの手紙』を鑑賞して、昨年度公開の話題作はほぼ見終えましたので、前からちょっと低めかな?と気になっていた評価を10点上げました。
アカデミー賞ではこの映画は3部門にノミネートされたようですが、編集・撮影あたりは順当な線としても脚色賞にノミネートされていたのはちょっと意外でした。蓋し正当な評価だと思います。
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