ミラーズ・クロッシング (1990) »レビュー

ギャングの綱渡り

80点 2008/03/27 by くりふ

コーエン兄弟作品はこれが初遭遇でした。公開当時は、
そこそこ面白いけど、「ゴッドファーザー」より地味だなあ、
などと単純に流してしまい失礼をば。今み直すと、少し深い。

1920年代、アメリカ東部のある街で、
アイリッシュとイタリアンのギャング同士が縄張り争い。
両陣営の間を綱渡りする、一見クールな切れ者だが、
実は行当りばたーりな主人公を、ガブリエル・バーンが好演。

殆ど室内、会話中心の展開で、小味効くハードボイルド風味。
しかし、結構ヌケてる人物が多く、コメディ風味が加わり、
皆の茫洋とした、根無し草な存在感が、現代味を決めてます。
全体に、小者たちの心理劇と捉えると、とても面白いですね。

未読ですが、ダシール・ハメットの小説「ガラスの鍵」に
影響されたようですね。主人公が二陣営を行き来する所は、
同作者「血の収穫」のよう。こちらは昔々読んでいたのですが、
淡々としたタッチが似てるな、という感覚を覚えています。
死体増員も淡々と。黒澤「用心棒」にも影響あったのですよね。

アクションはどっちかいうと、オマケ感覚だと思いました。
銃撃戦は遊んでますね。マシンガンで撃たれると、
いいから早く死ねよ、ていう位、弾着でまー、踊る踊る。
サム・ライミが踊り役の1人でカメオ出演。

タイトルは、ギャングたちがある重要処理をする森のこと。
生と死と、迷いが交錯する場所で、年中曇りなのが美しい。
この森で兄弟監督、ぐっと独自な映画に引寄せたと思います。

初登場マーシャ・ゲイ・ハーデンは、美女より野獣な面構え。
しかしインパクトは大。雨に消える後姿のたどたどしさ。
ジョン・タートゥーロの変幻自在は、お見事としか言えず。
アルバート・フィニー 、実は遊びで、女装して出てたのね。
スティーヴ・ブシェミには笑った。この頃から既に情けない。
「ファーゴ」のママポリス役が印象深かった、
フランシス・マクドーマンドはこの時まだ、イケイケねーちゃんだ。

 

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