あるいは裏切りという名の犬 (2004)
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オヤジ・フランス・権力闘争
2007/01/07
by
りんぼ
オヤジがかっこ良いというのは魅力です。全体の男女比率も圧倒的にオヤジ映画でしたね。それがこの映画を引き締めた要因でしょう。権力という欲に対し溺れていくというのは男の性のようなところがあります。そういう部分を剥き出しにしている映画です。特に中盤まで、それぞれの立ち位置が微妙で味方同士の腹の探りあいがシビアです。栄光を掴み取るために熾烈な争いを続け、悲劇へと進んでいく。この男の権力争いは社会に出ればごく普通に体験することだろう。また、主人公二人の内面が灰色なのも重要なことだ。彼らはお互いの目的のために手を汚す。そのやり方に差はあっても、そういうことすることが義務であるかのようだ。そして、そういうものが彼らの大切なものを奪っていく。それは友情であったり、愛であったりする。そういう所も含めて非常にフランス映画らしい作品だと感じました。
この映画で舞台設定が警察というところも効果的だったと思います。警察とは法の番人であり、最も正義を行うべき場所である。しかし、現実に警察の内部での権力闘争はあるし、そこに不正があることも事実だろう。そういう側面を切り出したのは良かった。特に主人公二人の上司との関係が剥き出しだ。上司の保身ともとれる行動など、実際に組織にいると似たようなことはよくある。実際、自分の仕事で上司の勢力争いに巻き込まれて配置転換をされたこともあります。そういう身近なところでもある組織の弊害というものを思い知らされます。
ただ、やや残念に思ったのは主人公二人と妻の三角関係や、二人の友情の部分の尺が短かった点です。個人的に三人の関係が現在に至る経緯のような部分が見たかった。そういう過去の部分がわかれば、二人の間の確執に対する感慨も増した気がします。しかし、フランス映画はそういうところを説明しきらない傾向はあるように思います。なので、そういうところは映画の中から読み取り補完する必要がありますね。それ以外にもちょっと読み違いをした部分などあって、疑問に思う個所もありました。そういう登場人物の微妙な心理もまたこの映画の特色と言えるかもしれない。
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