恋人たちの失われた革命 (2005)
»レビュー
圧倒的なレクイエムの美学
2008/05/06
by
メイプルタウン
1968年とは革命によって世界がよりよい変革がなされると信じられていた最後の時期だったのでしょう。映画はフランス五月革命を題材にしていますが、英雄的行為や悲劇的革命ドラマを描いている訳ではありません。国家権力との対峙はひたすら長く重苦しい時間の消費であってこのかくも長き時間が革命運動のリアリティを描いています。
革命闘争への挫折感により主人公のフランソワは自堕落な生活へ陥ってしまいますが、その幻滅から這い上がるキッカケが美女リリーとの恋愛になります。
全てを空白に還元するような強烈な白黒映像が、恋人たちの失われた革命を透明に輝かせるように圧倒的美しさで魅了しています。永続することはありえない幻想の中世風の1シーンは純粋な映画的感覚の極致であり圧倒的な美学を見せつけられるのです。
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