ドリームガールズ (2006)
»レビュー
よくできたエンターテイメント
2007/04/01
by
星空のマリオネット
よくできた映画だと思います。
ミュージカルならでは特徴の一つですが、主要な登場人物それぞれの人間性や葛藤が一曲の歌で端的に表現され物語が巧く展開していきます。米国の時代背景等の説明や人間に対する掘り下げが足りないといった批評があると思いますが、観る者に深刻に考え込ませたり大きな衝撃を与えるというより、黒人白人を問わずより多くの人に受け入れてもらうエンターテイメントとして、完成度の高いミュージカルだと思います。
以前はミュージカルは苦手という食わず嫌いの面がありましたが、ミュージカルにも多様な形態がありますし、オペラを含めて様々なショーの世界を楽しまないのは、損だと思います。
さて、歌については登場人物だれもが上手い。ただ、モータウン所属のスティービー・ワンダーやロバータ・フラッグさらに遡ってレイ・チャールズの曲やその個性的なボーカルに比べると物足りない。「黒人歌手として普通に上手い歌」を聴かされているという感じで、歌そのものに感動するというか、オリジナリティーを感じるというまでには至りませんでした。
昔のミュージカルの傑作は別にして、舞台を含め近年の大抵のミュージカルにおいて歌そのもので勝負できるほど個性的なボーカルを聴くことはなかなか難しく、まして歴史的な大歌手と比較すること自体、そもそもナンセンスなんだと思いますが・・・
ミュージカルの場合、歌はボーカルそのものだけではなく、演出や舞台装置等総合的なショーを構成する一部として楽しめればそれでよいのだと思うし、それ以上を望んでもなかなか報われないと思います。
(余談になりますが、その点、2〜3年前に公開された映画「RAY/レイ」の歌と音楽は抜群に良かった。ご案内のとおり、レイ・チャールズの生涯を描いた映画で、「ドリームガールズ」でプロデューサー役を演じたジェイミー・フォックスが、レイになりきった迫真の演技でアカデミー賞の主演男優賞を受賞しました。歌・音楽は完全な吹き替えでレイ自身の生の歌と音楽が最高に楽しめます。反則といえば反則ですが、吹き替えの不自然さが全くなく、レイ・チャールズのステージを再現したジェイミー・フォックスの功績はとても大きかったと思います。)
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