スタンド・バイ・ミー (1986)
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誰も大人になりたくなかった
2008/08/12
by
のびた
少年時代、秘密基地は欠かせない僕たちだけの神聖な場所だった。仲間同士で合言葉を決めたり、中で自分たちだけの秘密の遊びに、興じたりしていた。これもきっと、映画やTVや冒険小説の影響だったと思うが、そこには自分たちだけの特別に流れる時間があり、一日が暮れるのが、本当に惜しかった。仲間だけの秘密、空想の世界、これが僕たちの絆を深くしていた。この映画でも、木の上の秘密基地が出てくる。実際僕たちにはそんな上等な物は作れなかった。ただ、外の世界とを隔てる壁があれば良かった。
そこを出発点にして、彼らは冒険の旅に出る。目的は宝探し。しかし、その宝は子供の死体だった。死体発見者になれば、有名でヒーローになれるという、子供らしい発想の旅だった。
12歳の夏は一度きりだ。誰もが子供のままでいたいと思っていたが、旅の途中で行く度も困難が生じ、仲間とともにそれを切り抜けていくうちに、少しずつ大人になってしまう。彼らにとっては矛盾に満ちた旅だったのかもしれない。しかし、それは後になってから気付くことだ。
今の彼らは、子供なりに先行きの見えない不安を抱えていた。父親に認めてもらえない、悲しみ。家庭環境のせいで、悪いことはすべて押し付けられてしまう、諦め。そんな現状からの脱却としての旅だったのだろうか。普段の暮らしから離れると、人の心も解放されて、素直に告白できることもある。彼らはお互いの心情を森の中で吐き出す。まるで森の浄化作用を知っているかのように。
実際の死体を見た、彼らの胸の中は…。
誰もが経験する、少年時代の冒険の数々と、ほろ苦い大人になるための試練。
心に残る名作だ。
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