パンズ・ラビリンス (2006)
»レビュー
大人の童話
2008/05/06
by
taiyaki
厳しい現実社会に生きる少女オフェリアが,死を通して蘇生していく物語。
現実世界とファンタジーの世界は,お互いに影響し合っています。ファンタジーは,人間の深層心理にある負の部分が生み出しているのでしょう。しかし,彼女が見ている世界は,決して幻ではないと思いました。
「現実というのは思いのほかに多層性をもっている。自分が見ている『この世界』がすなわち唯一の現実だと思いこむのは浅はかすぎる」と,河合隼雄氏は,著書『ファンタジーを読む』の中で述べています。私自身,永遠の生命というのは,確かにあると思っています。輪廻の海の中で,様々な経験をし,現在の私が存在するのでしょう。
残酷なシーンが多く,思わず目を背けてしまいたくなりましたが,元々ファンタジーは,大人の世界のものでした。
この物語に嫌悪感を感じることがあるのは,自分の深層心理の中に隠されている何かに触れているからかもしれません。
蛇足ですが,良い映画というのは,小物が象徴的に使われています。例えば,「ふたり」の赤い糸や,「夕凪の街 桜の国」の髪留めなどです。この作品では,ナナフシやパンから与えられた本が,現実社会と幻想の社会をつなぐものとして上手く使われていると思いました。
3人がこのレビューに共感したと評価しています。
※ユーザー登録すると、レビューを評価できるようになります。
返信を投稿
Copyright©2008 USEN GROUP All Rights Reserved.








