パンズ・ラビリンス (2006)
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オフェリアは王国の王女
2008/05/24
by
のびた
地元の映画祭で上映していたので、2度目の鑑賞となった。初めて観た時は、その描写の残酷さに一歩引いてしまった僕だったが、今回それを踏まえた上で鑑賞し直したら、これはやはりダーク・ファンタジーの傑作だと思った。
少女オフェリアの住むスペインは、恐怖政治の時代。彼女を取り巻く環境に、逃げ場はない。
そんな彼女が見つけたのは、見かけはグロテスクだが、心は優しいパンが住む、迷宮の入り口。
彼女は三つの試練を乗り越えることによって、この国のプリンセスになることができる。
その試練たるや、非常に勇気のいるものばかり。
彼女はこの試練を何のために受けねばならなかったのか。
現実の世界もつらいが、この試練も少女にはかなりきつい体験だ。
悲しみ苦しみの一切ないという、その王国にもどるため、パンの言葉を信じて、自分の心の弱さと闘いながら、オフェリアは挑戦する。
つらい試練を乗り越えると、平安な世界に行くことができる。ラストは人によっては解釈は異なるかも知れない。
最初の鑑賞では泣くこともなかった僕だが、2度目の今回は涙を滲ませてしまった。
あれしか彼女の心が救われる術はなかった。彼女のためにも、ハッピー・エンドだと信じてあげたい。
良かったね、オフェリア。君はここでずっと幸せに暮らせるんだ。もう君を苦しませることは、ここでは起こらない。誰よりも、それを君が信じている限り…。
さて、この映画の残酷さは、大尉絡みの描写が多い。それでなくても充分おぞましい男なのだが、彼は父親の死に囚われていた。
大尉の持つ、ガラスにひびの入った懐中時計は、父がその死を刻みつけたものだ。
彼もまた、自分の持つ地獄に怯え、その裏返しがあの残虐な行動に表れていたのかも知れない。
この映画で心に残るセリフがふたつあった。
大尉「私に従えば楽なのに、何故従わない」
ドクター「従うだけで何も考えないのは、心のない人間のすることだ」
オフェリアがお腹の弟に語りかける。
「外の世界は平和でないわ。それでも出てきたいなら、ひとつだけお願いを聞いて。ママをできるだけ、苦しませないで」
この恐ろしき世界にあって、何と強い信念と、心優しき言葉だろう。
オフェリアの弟は、この厳しい現実世界で、幸せに生きることができるだろうか。
君のお姉さんがどんなに頑張って守ったか、カエル退治の枯れ木の奇蹟と共に、君に是非伝えたい。
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