主人公は僕だった (2006) »レビュー

自由意志を後押し

90点 2007/12/30 by なかむら

主人公は僕だった

『ズーダンダー』でプードル抱いてた変態デザイナーが国税局の職員に!ウィル・フェレルはコメディ作品でしか見た事がなかったので、このキャスティングにまず驚き。

ナレーションで物語を進行する手法は、製作側の手抜きに思えて大嫌いなのですが、ほぉ、主人公にも“声”が聞こえてくることから映画が始まるんですね。この着想には唸りました。
小説が絡んでいるだけあって、語り口がとても情緒的。メモにとりたい文句が随所に散りばめれててました。

小説家の原稿によって自分の運命が左右されると知った主人公は、残りの人生を謳歌する決意をします。主人公が単調な生活から一歩踏み出すことによって、人生が輝き始める。
それは今の生活を壊すことだったり、新しいことにチャレンジすることかもしれない。そんな進展地へ一歩を踏み出す勇気がもたらす素晴らしさをフィクションとも現実とも取れない実に奇妙で独創的な世界観の中で示しています。

私はあまり詳しくはありませんが、これってキリスト教圏の世界では結構冒険だと思うんです。奇跡は起こるけど、それは小説のシナリオに沿ったもの。言わば小説家は神なんですよね。それ自体、見る人が見たら卒倒モノですが、意思を持ち始めた主人公=人間が自ら未来を開いていく。
ことごとく神の存在を否定する姿勢がキューブリックに通じますね。たぶん気のせいかも。

意外とキャストが豪華なあたりに、恐らくこの脚本が高く売れたんだなあと勝手に妄想。実力派俳優たちの真摯な演技にただただ心を奪われました。

ろくに期待もせずにレンタルで借りた作品ですが、これは大満足。セル版DVDには音声コメンタリーがついてるそうなんで購入することにしましたヨ。

 

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