パッチギ! LOVE&PEACE (2007)
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ちょっと拍子抜け
2007/10/29
by
星空のマリオネット
前作の「パッチギ!」は、長い喧嘩の場面等どうも好きにはなれませんでしたが、瑞々しく濃密なドラマであったとは思います。
キネマ旬報の2005年度の映画賞では作品賞、監督賞(井筒和雄)、新人女優賞(沢尻エリカ)を獲得。
私は「三丁目の夕日」のファンだったので、パッチギに主だった賞をさらわれてしまって残念だったのですが、いまの時代にわざわざこんな作品を撮る人がいるんだというような映画「パッチギ!」に対しては、映画関係者の評価が非常に高かったのだと思います。
今回の「パッチギ!LOVE&PEACE」は、前作に対し特に思い入れがなかったことや、なぜまた続編なんか撮るんだろうという疑問もあって、映画館では観ようとは思いませんでした。LOVE&PEACEという副題も?でした。
それで今回DVDで観てみましたが・・・ちょっと拍子抜けしてしまいました。
井筒監督の暴力描写や粘っこいこれでもかという物語は正直しんどいなあと覚悟していたのですが、先ず暴力描写はいつになくコミカルに描かれていて意外でした。また、ギラギラとしたどぎつさも抑制されています。ストーリー展開も通俗的な部分がありますが、敢えてそうしているのかもしれません。
今回の映画は、芸能界という誰にでも身近に感じられる舞台を設定して差別(意識)の問題を描いていますが、本作の主目的は戦争への絶対的な反対を訴えることにあったのではないでしょうか。
戦争の非人間性や残虐性を目の当たりにさせられる戦闘シーンを描くのに、相当の精力を費やしているように見えます。
日常の暴力描写に現実感や残虐性が見られなかったのは、有無を言わせない戦争の暴力性・残虐性を際立たせるためだと思います。
舞台を1974,5年に置いたのは、ベトナム戦争の終結にあわせていたのですね。反戦、平和運動をイメージさせる「LOVE&PEACE」。
ラストシーンはここまでやるのかというメッセージも発せられます。一般の観客との相互理解を深めようという気持があるのかないのかもよく分かりません。自己の主義・主張だけで突っ走っているようにも見えます。
どんな環境に置かれていても、手段を選ばず生き抜くというエネルギーや心意気を描く、この監督らしい映画ではありました。
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