あんなに愛しあったのに (1974)
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スコラからデシーカへ
2008/06/03
by
アキラ
戦友だったジャンニとアントニオとニコラがルチアーナって美女に惚れて巻き起こる三角関係ならぬ四角関係のラブコメ。これまで脚本家として活躍していたスコラが初めてオリジナル脚本で自ら監督した作品だけあって面白い手法を使いまくっています。カメラに向かって役者が語っちゃう位は当たり前。モノローグ部分で周囲の動きが止まったり画面奥に別のシーンを見せたり亡霊が登場したり近代演劇では普通に使われるが映画ではあまり使われない手法で軽快にストーリーを展開。スコラ作品での実験的な手法ってあまり良い効果を成してる例は少ないけれど、この作品では愉快な語り口としてちゃんと功を奏しています。よりテンポ良く話を進める上で狭義なリアリズムに囚われず、むしろ普通の映画手法よりも親切に分かり易く仕上げています。
頭脳明晰で行動力があるジャンニは弁護士で実業家、やさしいアントニオは看護助手、映画マニアなニコラは家族を捨てた教師。この中でスコラが最も描きたかったのは物語中では影の薄いニコラに思えます。ネオレアレズモを批判する上司とケンカしたり『戦艦ポチョムキン』のオデッサの階段についてルチアーナに熱弁したりクイズ番組で『自転車泥棒』の裏話を語ったり。デシーカが亡くなった74年に製作されたこの作品にはイタリア映画が熱かった時代への愛着みたいな物が滲んでいます。作品中にはデシーカの講演風景が挿入され『甘い生活』を撮影中のフェリーニがロッセリーニに間違えられるシーンなど巨匠本人が登場する所まであります。この作品を見る限りで云うのであればスコラをオリジナル創作へと駆り立てた物は映画そのものへの愛情。
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