AFRO SAMURAI (2006)
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芯のある復讐物語
2007/11/03
by
りんぼ
キワモノを想定していたら、思った以上に本物だった。これは純粋な復讐劇であり、悲劇の物語だ。色々な取り合わせからしてすっとんでいるのだが、そういったものは全てスタイルでしかない。どう考えても笑ってしまう格好なのだが、劇中に笑えるところはほとんど無いのは予想外。クマの面の背後にある悲哀が見えると、もう笑うどころか悲しくなる。なるほど、これは上手い手だなと感心した。
この映画のバランスは外見を虚で固めた分、中身に真実を詰め込むことで成り立っている。例えば剣術の指南や師弟関係など、なかなか念入りに組まれている。このバックボーンがしっかりと出来上がっているために一本芯がある。綻びが無いわけではないのだが、本筋が固まっているために、細かい部分がカバーされるのだ。
粗を挙げるとすれば「省略」が下手な点だろう。この映画自体、テレビシリーズを編集して作ったものらしいが、だからだろうか尺の取り方が変だったり、必要以上に説明的であったりする。しかし本筋が上手く出来ているので、それほど気にはならない。
予想外、という点も映画の感想を変える要素でもあるだろう。決してノリと勢いだけの作品ではない。
丁度、初日の舞台挨拶で鑑賞したのだが、この映画のアイデアは実は逆輸入だったらしい。一時期、アメリカでカンフーブームが起きた時、勘違いした東洋的な衣装を目にしていた原作者がそれをモチーフにしてこの作品を思いついたとか。映画の中にあからさまに出てくる往年のハリウッド映画のネタは、その時代のリスペクトということらしい。
チャンバラ自体がリアリティよりもコミック調なのも、この世界観故だろう。また、この企画が日本ではなくアメリカからのオファーで動いた点も面白い。現地でも特に黒人の少年層に受けたそうだ。こういう文化の融合というのもありだろう。
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