ダージリン急行 (2007)
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絶妙な距離感
2008/04/12
by
Baad
これはやはりお育ちの良さから来るものだろうか。映画の内容自体は予定調和的な物語に終始してこれといって驚くようなことは起こらないのだけれど、制作者や出演者のインドとの距離の取り方がおごりも卑下もなく自然で、見ていてなんとも気持ちがいいのだ。滅多に思わないことだけれど、こういう映画を見るとやはり生まれや育ちの良さは何物にも代え難い美点だと思う。この映画に関わったインド側のスタッフも多分苦笑しながらも楽しんで仕事をしていたに違いない。
外国人がインドを舞台に撮った映画は割と見ている方だと思うのだが、クアロンの『リトル・プリンセス』や未だ見ていないルノワールの『河』を除けば、対象への関わりが一番真っ当な映画だと感じた。
語られている物語は実にさりげなく進んで行って、その良さが分かる人には本当にいい映画なのだと思う。とても薄味なのでだれの口にでも合うというわけではないが、生きて行く上では大切なテーマを扱っているとは思う。お坊ちゃまたちのお遊び映画ではあるのだけれど、少なくとも尊敬には値する映画だ。人並み優れた才能があるのだから、もっと別のところに使ったら、というのは余計なおせっかいと言うものだろう。
それよりも何よりも素晴らしかったのは凝りに凝ったディテールの数々で、これは暇だったら何度繰り返してみても良いと思う。とくに、ビル・マーレイが汽車に飛び乗るまでのシーンとエンドロール見せ方は意表をついたもので、素晴しかった。ジェイソン・シュワルツマンがハダシだった理由が少し気になったし、マサラシステムで見られなかったのが少し残念(←まさか)ではあったけれど。
ekoekoさんのレビューにあった、話が脱線しがちな映画だというのは、この監督の特性というよりは、インドを舞台にした映画だからその方が自然だからそうした、ということだと思いますが、こういう作風が合っている人ではあるのかもしれませんね。
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補足かたがた
2008/04/02 by
Baad
なぜか昨日からこのレビューがトップページに表示されることがあるようなのですが、一部誤解を与えかねない部分があったので補足いたします。
> とくに、ビル・マーレイが汽車に飛び乗るまでのシーン
こちら、書いてから後、実は、ある人物に・・・・・・ていて、その後違う展開になっていたということを思い出しました。但し、その部分を訂正するとネタバレになりかねませんので、こちらはこのままで、と言うことでご容赦願います。
> 外国人がインドを舞台に撮った映画は割と見ている方だと思うのだが、クアロンの『リトル・プリンセス』や未だ見ていないルノワールの『河』を除けば、対象への関わりが一番真っ当な映画だと感じた。
↑パンフレットを読んでの後日談ですが、なんとアンダーソン監督が好んで見ていたインド映画はもっぱらサタジット・レイとマーチャント&アイボリーによる印英合作映画だったそうで、ぶっとびました。どうやら最近のインド映画などのミュージカル系はあまり見ていない様子。それでこういうコメディーを撮ってしまったとしたら、本当に大したものです。
サタジット・レイって、私は見るだけで背中がむずむずして来て・・・きちんと見ていたとしたら、偉いなあ、ホント。
でもって、勝手に引き合いに出してしまった、ekoekoさんごめんなさい。
アンダーソン監督の映画できちんと見ていたのが「天才マックスの世界」だけだったので、この映画も少し散漫かな、と思ったのですが、今日「ロイヤル・テネンバウムズ」を見てその間にあった二本は相当撮り散らかった印象の映画だったのだらろうな、ということが理解できました。
ひょっとして、インドで撮ったこの作品の方が多分前作よりは未だまとまって見えているのではないでしょうか?
これは、やっぱり監督と物語の舞台との相性がとことんよかったということだろうと思います。
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