ダージリン急行 (2007)
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ここでしか描けなかったロードムービー
2008/05/12
by
bluebird
映画を観た帰り道、家までの長い道のりを、
音楽も聴かず、本も読まずに帰りたいと思うことが、たまにある。
頭に残っている、映画の音楽や、空気感を変えてしまうものを、
全てシャットアウトしてしまいたい。
街の音だけで、十分。
感想を言えと言われても言えない。
まとまりがつかない。
そんな映画は、感動や衝撃とは全く違うところで、
存在している。
ドキュメンタリー映画を見続けていた最近。
こういう、映画らしい映画は、とても新鮮で、
そして、この、映画の礼儀をしっかりと受け継ぎ、
そして、映画のルールをしっかりと裏切る映画は、
またもや、映画の奥深さに、驚愕させられることになる。
カメラの視線に、無意識になりがちな視点を、
急速に思いださせられる。
切り取られ、連なった映像の、
瞬間的に、そして継続的な、
矛盾した力に、静かに圧倒される。
BGMになりがちな音楽が、ごく自然に、
映画の一部として、心揺らす。
インドに、背負える荷物だけで旅立ったのは、
もう10年以上も昔の話。
いまでも、その衝動は、ときどき、
どうしようもない気持ちにさせる。
インドの旅は、まだまだ、終わらない。
バックパックに安宿。
そんな旅は、もう体力的にも出来ないかもしれないけど、
彼ら3人がした旅の意味は、
同じように、私にも分かる。
形なんて、きっかけなんて、どうでもいい。
自分の全て、世界の全てを受け入れないと、
インドから逃げ出すしかない。
目の前にある常識も、自分も、
全部全部、嘘。
そして、本当。
インドは、「全てを受け入れること」が出来る人ほど、
楽しむことを、許される国。
いつだって、「今の自分で行ってみたい」って、
思い続けて、憧れ続ける。
3人が、
「もう二度とインドに来たくない」って言ってたのに、
母に会う為だけに、インドに残ったことは、
インドにまんまと、ダマされた証拠。
残る為の言い訳は、
この国では、何だって通用する。
この国では、言い訳も、嘘も、ホントも、
全部、真実になる。
いつか、そうなる。
そんな国でしか、出来なかったロードムービー。
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