潜水服は蝶の夢を見る (2007)
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檻の中の心意気
2008/04/04
by
くりふ
心意気、の映画と思いました。残酷な窮地に陥っても、気概にしがみつき胸を張ること。
心と左目以外、全く動かせなくなった主人公ジャン・ドー(英語でジョン・ドーなら身元不明死体!?)が、『人間性にしがみつく』話も得た上で見つけた、生き抜く術。そして本作は、深刻な闘病記でなく、愛すべき軽さ漂う、心の過ごし方日記、となりましたね。
「攻殻機動隊」の素子さんを思い出しました。
技術の進歩で作られた、機械の体が壊れても、
心を包んだ基幹部が壊れなければ問題なし。
体が動かず表情も消え、眼だけが動くシーンがありましたが、
いま思うとジャンのようでした。彼と違うのは、
技術による伝達手段で、心の直接対話ができること。
空想の世界と違い、技術の進歩で、命は繋ぎとめても、
閉じ込め症候群には、素子さんのような伝達手段がない。
深い井戸の底から見上げるような思いがあったでしょうね。
が、アルファベット読み上げ⇔瞬き、という原始的手法は、
実際の運用はとても大変だったのでしょうが、
ウ・エス・ア・エール・イ・エヌ・テ… という響きが極、美しく、
温もりも感じられました。この積み重ねから、原作の一行目、
「古ぼけたカーテンの向こうから…」が紡がれ始めたところで、
ちょっとじわっと来てしまいました。
原作にあった、聴覚変化を繊細に描いていなかったのは残念。
左耳が、2m半先から聞こえる音全てを、歪めたり拡大したり、
してしまったそうなんですね。だから、隣室の物音が
大迷惑になったりする。逆に、静寂に包まれていると、
頭の中を飛ぶ蝶の羽音が聞こえて来たそうで。聞きたかった。
E・セニエさん、昔はエロエロ一直線、という感じだったのに、
熟女化してから、幅が広がったようで嬉しいですね。
「エディット・ピアフ」の母性娼婦とか。印象的な挿入歌、
「ドント・キス・ミー・グッバイ」は昔の自身のボーカルですね。
ジャンの発病時、ビートルズ「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」が、
ラジオから流れていたそうですが、これは使って欲しかった。
版権的に、マイキーがうん、て言わないとダメなのかしら?
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