いのちの食べかた (2005) »レビュー

命をもらって命を繋ぐ

70点 2008/02/27 by 705

いのちの食べかた

食料の生産過程がナレーションなしで淡々と綴られるドキュメンタリー。おそらく業界関係者でもなければめったに知る事が出来ないであろう貴重な映像の数々ではあると思うけど、やっぱりナレーションがないとメリハリが感じられないですね、途中少しウトウトしてしまいました。それでも今まで見たこともない目の覚めるような映像も有るし、上映後、パンフレットを買う人で溢れていたので、それなりにインパクトのある映画だったとは思います。

農産物の収穫から、魚・動物の飼育から食肉の生産過程となかなかバラエティーに富んではいます。時代のニーズに沿った画期的な方法と言えばやっぱり機械化、オートマ化。ここでは様々な機械による食料の生産過程が映し出されるけど、屠殺まで機械化というのは意外でした。ジャガイモの収穫なんてあの広大な大地では機械なしでは到底無理。でも必ずしも全て機械に頼るわけではなく、まだまだ人の手が必要な部位もある、野菜や果実がどの程度熟れているかなんて機械には分かりっこない、出荷できる程度のトマトをもぎ取るのは人の手。何でも機械がやってくれるのならば人手なんか要らず、世の中失業者だらけですね。

ここに出て来る屠殺から始まる食肉の生産過程は思った程の動物虐待のイメージはなく、ほんとに食品の生産って感じでした。腹部を裂き内臓を取り出す、血を抜く、皮を剥ぐ、多少目を背けたくなっても、これは全て死後の処理工程ですからそれ程酷ではない。だけどやっぱり屠殺される瞬間はどうしても動物愛護の感情が少なからず入ってしまうのは仕方ないです。機械の中へ追い立てられて死体となって出て来る豚、痙攣した牛の断末魔の姿はちょっと見るに見かねました。それよりもっと悲惨だったのは鶏ですね。高速のベルトコンベアーで追い立てられるように押し流され、モノを投げ入れるように、エアーで叩きつけられるように籠の中へ選別されるヒヨコや鶏の姿はほんとに酷でした。大量生産という事になると一匹一匹慈愛の心で対処するなんて悠長な事は言ってられないのは分かるけど、結局は解体されて店頭に並ぶ運命だとしても一応は命があるのだから、もう少しマシな扱い方はないのかと、見ていて凄くかわいそうでしたね。こういう映像を見ると、やっぱり一番悪いのは人間?なんて見えてしまうのもこれも致し方ないです。

命をもらって命を繋ぐと言う神の摂理には逆らえないし仕方ない事だけど、それでも私たちの命の為に犠牲になってくれる命には感謝の意を忘れてはいけないのかもしれませんね。

 

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