いのちの食べかた (2005)
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ガイドのいない工場見学
2008/06/10
by
のびた
魚や肉も、切り身だけで売られているため、その全体像までイメージが思い至らない。我々はただの肉の塊だけを食しているのであり、生きていた豚や牛を食べているのだという実感が湧かない。
しかし、実際に、鶏、豚、牛は生きていて、それを殺して、食肉に加工していくという作業があり、それに従事している人がいる。その人たちは、毎日、動物たちを殺して生計を立て、我々は何も痛みなど感じず、おいしいと言っては食べているのである。
この作品には、音楽もナレーションもない。ただ、食肉にされていく動物たちや、植物、果物の収穫風景が淡々と画面に映しだされていく。かなり残酷でショッキングなシーンも多い。しかし、我々は直視しなければならない。こうして別の命を戴いて、我々が生きながらえているという現実を。
まさに、生命を「いただきます」だ。
その作業も今やオートメーション化され、大工場で大量生産されていく。人間も関わるが、ほとんど機械が動物たちを捌いていく。殺される寸前の牛や豚は、何かを感じるらしく、突然暴れようとする。死から少しでも遠ざかりたいとでもいうように…。
さて、これはとても意義のある作品だとは思うが、映画として見ると、かなり不親切な作りである。とにかく、ナレーションがないので、一体何が行われているのか、皆目見当がつかない場面がある。まるでガイドのいない、工場見学のようだ。仕方がないのでパンフを買ってしまった。しかし、パンフ製作者にも詳しい内容は伝えられていないらしく、この映画を見た日本の関係者の意見を聞いた、あくまでも推測による記述らしい。
監督の意図としては、観客に自分なりに受け止めてほしいと言っている。しかし、何やってるのか分からないのでは、間違った伝わり方をしてしまう恐れはないだろうか。
ここまで見せるのなら、何をしているのか、その説明が欲しかった。感じるだけではなく、理解することも必要ではないだろうか。
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