線路と娼婦とサッカーボール (2006) »レビュー

グアテマラ版『GOAL』

60点 2007/09/26 by アキラ

線路と娼婦とサッカーボール

新宿バルト9にてスペインラテンアメリカ映画祭。

●背景●
リネア路線。そこは貧民街。富裕層は強盗や疫病を怖れて近寄りたがらない。そこに住むメリットはポン引きなしで売春ができるって位。ただ売春以外に女性たちに職がある訳もなく家族を養う為に一回たった2ドルで身体を売る。低所得層相手の商売だから生活費を稼ぐ程度の商いしかできない。なかなか彼女たちには生活向上への道は開けない。社会的には汚らわしい者たちとしか見られていないから、富裕層や国家権力から弾圧され彼女たちは更に苦しい立場に追いやられていた。

●お話●
いくらデモを繰り返しても娼婦たちに世間の注目は集まらない。そこで彼女たちはもっとポジティヴなアピール方法を試みる。サッカーチームを作って注目を集めようって訳だ。そうしてできたチームの軌跡を追ったドキュメントがこの作品。最初の試合は女子高生相手。惜しくも敗退。それどころか彼女たちがリネアの娼婦だと判明してサッカー協会に登録を抹消される。マスコミが強く抗議すると手を差し伸べたのは警察。次の試合相手は警官たち。またしても敗退。幸運にも渡しに船で旅行会社やIT系ベンチャー企業が彼女たちの支援を申し出てくれたおかげで遠征で様々なチームと試合ができた。だが、東欧に遠征に行く事になった途端世論はコロッと変わる。「お前らがグアテマラ代表を名乗るな!」

●感想●
そりゃそーでしょ。だって弱いんだから。素人チーム相手に国内を回って連敗し続けてるのに話題性だけで国の代表にしちゃサッカー好きな国民が怒って当然。でも彼女たちが強い訳がない。他のチームと違い即席チームなのだから。話題を集めて援助の手が差し伸べられればさっさと去る。誇りなんか持てる訳もない。チームとしては最悪。そうならざるを得ない生活の厳しさ。彼女たちはサッカーが好きな訳でも上手い訳でもなく這い上がる糸口を探しているだけ。警官たちにレイプされたり売り上げを奪われたり片目を潰されたり。社会的に弱い立場にある彼女たちがいかに虐げられて来たかを語る事こそがこのパフォーマンスの意義。

 

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