テラビシアにかける橋 (2007) »レビュー

地に足着かず

40点 2008/03/07 by アキラ

テラビシアにかける橋

シネコンで土曜日に行ったんだけど、久しぶりに貸し切り状態。客は私一人。もし行かなければ、この回は上映中止になった所。劇場の人に少し悪い気がした。たった2千円やそこらじゃ映写技師の時給で割っても足りないだろうに。と思いつつも2人がけのプレミアシートに横になりビールを流し込みながら自宅でTVの気分で満喫。たまには誰にも気兼ねせずスクリーンを独占するのも気持ちの良いものです。徒競走のシーンとか思わず応援したくなるところで自由に声が出せるし、妄想の中で犬が怪物と闘うシーンでは「いや、あり得ねーし」と口に出して突っ込めちゃう。ただ「つまらねーぞ、止めちまえ」なんてヤジを飛ばした日にゃ待ってましたとばかり上映中止になっちゃうだろうな。見る人がいなければ人件費の無駄にしかならないし。

予告の印象からして『ハッダーの世界』みたいな話を期待してたんだけど、もっと健全故に底の浅い話でした。去年のドイツ映画祭でヴィーガント監督が『TKKGと謎のマインドマシーン』について語っていた通り大事な人を失った子供の多くは妄想に逃避したり何かに固執して熱中したりする事で心の傷を埋めようとする。そんな心の再生を追ったドラマであって欲しかった。この作品の主人公やヒロインは劣等生タイプではなく単に周囲をバカにして馴染めないタイプ。いかにも作家肌の2人が共通の妄想を追って冒険。フワフワし過ぎている。むしろジャニスみたいな不良キャラを掘り下げて欲しかった。進歩的かつ優しい両親に恵まれたヒロインが彼女にアドバイスとは烏滸がましい。貧乏子沢山の家に生まれた主人公には妄想に逃避する理由が少しはあるだろうけどヒロインは恵まれ過ぎ。主人公にしても音楽教師に恋したり現実で充分に幸せに見えてしまいます。心の闇が足りない事で致命的にフワフワ。

 

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