ペルセポリス (2007)
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おばあちゃんは偉大なり
2008/01/19
by
はなよ
全編を通して、おばあちゃん(祖母)はマルジの良心であり、映画の要になっている。孫娘を溺愛することなく、守護天使のように愛を注ぎ励ましつつ、人として教えるべきことはきちんと教える稀有な存在。
マルジは、理想的に美化されることなく、子供の残酷さや短絡的な思考、思春期の思い込みの激しさや熱情も素直に描かれている。絵と音楽、歯切れのよいセリフも絶妙なコンビネーション。
しかし、どう考えてもマルジが普通のイランの女の子であるわけない。幼少期から外国語を習い、戦乱の中でも物価の高いヨーロッパへ留学し、大学に進学というコースは一般家庭ではありえない。もともと共産主義の支持者は教育レベルの高いインテリ層が多い。マルジの家庭環境も王族との縁戚も示唆されていたし、イランの中では特権階級か、その近似値だろう。さらに、フランスは失業率の増加や経済問題などで年々外国人への風当たりは強さを増し、短期の旅行ビザや留学ビザならともかく、長期滞在して就業可能なビザがたった3ヶ月で取れるのは、相応の経済的なバックボーンかコネがあると想像できる。
マルジの環境も立場も「イランの普通」では無いし、政治的な描写も偏りがあるけど、女の子・女性としての姿が等身大なので、素直に観る事ができた。
軽く異国の女の子の成長物語としても楽しめるし、シリアスに中東の複雑な政治情勢と歴史に思いを馳せつつ観賞することもできる。いずれにしてもお薦めの作品。
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