マイ・ブルーベリー・ナイツ (2007)
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言ってしまえばカーウァイ節
2008/07/20
by
ナムコ
例のごとくの映像詩人。夜の映像を撮らせたらピカイチだと思う。光と闇の溶け具合が相も変わらず素晴らしい。ただ、この人、詩人ではあるけど散文詩人であって、語り部ではないので物語の構成はけっこう適当。映像と編集の力技で展開させるのも、ある意味いつも通り。
物語はカフェのオーナーとウェイターをしながら旅する女の子のほのかなラブストーリー。ロードムービー的な要素も含まれており、今までのカーウァイ映画と抑えどころは同じ。役者がアジア人から白人になっただけ。でも、何だか髪の増えたジュード・ロウと初の主演となるノラ・ジョーンズがいい味出していた。音楽もライ・クーダーだし、キャストやスタッフは豪華。
基本は相変わらずの揺れる映像。それに、ときおりはさまれるスローモーションとストップモーションを混ぜたような映像がきらめきを与える。そして時に力技も。3人の登場人物が話すシーン、例の揺れる映像で撮っていたのだが、目線がメチャクチャで、誰に対して話しているのか、誰がどこにいるのか位置関係が全然分からなかった。そんな場面がところどころに散見された。それでも雰囲気と編集力で持ってっいっているのは流石。いや、流石と言っていいのかどうか。許すかどうかは人それぞれか。
それと、監督の狙いか撮影監督の狙いかはわからないけど、今回いつもより画のサイズがタイト目だった気がする。全体的にも割と寄りが多いなあと思って最後のクレジットを見たら、撮影監督がクリストファー・ドイルではなかった。映像の揺れ感も普段と違うと思っていたからここで納得。やっぱり撮影監督が変わると画も変わるもんだ。自分的にはもう少し引いた方が好きだが。
ウォン・カーウァイの作品は、基本的には、見終わった後、流す涙も鳥肌の立つような感動もない。でも、この人の映像と共有する時間は、毎回心地よく、そしてかけがえのないものになったりするんだ。この作品も絶賛する気はないけれど、このテイストってこの人しか出せないからなぁ。たまに迷走するけど。
結局、今回は大作ではなく落ち着いた小品。物語も地味。というか、彼の映画、語る要素はいつも同じだし。それでも、自分としてはそれなりに期待に応えてくれていた。ぶっちゃけ、引き出しの多い人ではないと思うが、マンネリとか自己模倣と言われてもいいので、個人的には今後もこのテイストを期待したかったりする。さて、どうなるか。
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