アメリカン・ビューティー (1999) »レビュー

20世紀最後の傑作

100点 2007/08/26 by 本物の目

世界一豊かなアメリカ大国が抱える日常の様々な問題点(大部分はコミュニケーション不全から起こる問題)を、一般的に裕福の象徴とされるプロテスタントの中流階級家族を舞台にして「崩壊と自由」をテーマに炙り出した作品。アメリカを良しと思わない国からの反逆映画でもある。

ここまでの「崩壊」を決して暗くならずに、ブラックかつニヒルに表現できたことは本当に「脚本」が素晴らしいからだろう。とにかくこれは面白い。
映画の中で白いゴミ袋が永遠と風にあおられて彷徨う映像は「白人社会の現実社会での孤立化・行き詰まり出口が見えない。」象徴ともとれないか。

行き場のなくした社会の凝縮が一家を襲っている。

この映画を舞台監督上がりのイギリス人が作ったという点も当時新鮮だった。さすが演出家だけあって、画の使い方が巧妙。端からは端まで凝っており、スキがない。

この映画の本当の意味を理解できない自称映画ファンは世界で起こっている情勢&知識&古典クラシック映画の教養が根本的に足りないと自覚したほうがいいだろう。ビリーワイルダー監督の「サンセット大通り」を見ていない時点でアウト。

とりあえず、現代アメリカ映画の一つの見方を図る上で、かなりいい判断材料になるリトマス試験的な意味合いがある作品だと思う。

肝心の作品全編に流れるカメラワーク、絵、セリフ、ストーリーに関しても全てほぼ完璧。まず傑作といって良い。

欺瞞の美と、本当の美。あなたはどちらを選ぶ??

 

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