大いなる陰謀 (2007)
»レビュー
衝撃作
2008/05/08
by
リジュ
まず、オープニングに流れる台詞で衝撃を受けてしまった。今もアメリカは戦争をしているという事実を忘れかけていたような気がして自分自身を恥じた。そう、確かにアメリカだけでなく世界には戦争や紛争をしている国がたくさんあるのだ。そして、毎日たくさんの犠牲者が出ているということが信じたくない事実である。とにかく『大いなる陰謀』は自分にとって衝撃作となった。
この映画には娯楽要素が全くない。アメリカという国を4つの視点から突いている。いや、「アメリカを」ではなく「世界を」かもしれない。トム・クルーズ演じるアーヴィング上院議員から「政治」を、メリル・ストリープ演じるジャニーン記者から「報道」を、ロバート・レッドフォード演じるマレー教授から「若者」を、そして、マイケル・ペーニャ、デレク・ルーク演じるアーネストとアーリアンからは「戦場」をそれぞれ濃厚に描き出していく。とにかく会話の多い映画で、登場人物が移動することがあまりない。それぞれの場所で物語が同時進行していくような構成。この構成が「断片的だ」と批判されたらしいが、この構成だからこそ、『大いなる陰謀』は良いのだと自分は思う。
また、この映画はとにかくアメリカらしい映画だなと思った。そう思ったシーンは、大学生のディスカッションの場面だ。こういう活発な意見交流は、日本の学生の中ではあまり見られないだろうし、そのような機会も滅多に与えられていないと思う。これからの世界はこういった意見交流が重要になっていくと思う。
アーヴィングの言葉で戦争の恐ろしさを改めて痛感してしまった。彼は戦争している相手を“人々”ではなく“敵”と言ったのだ。そう考えていくと、相手国にとっては自分が“敵”であるということになる。当たり前のことかもしれないが、そうすれば“人間”はいなくなってしまうのではないか。全員が見方によっては“敵”になる。戦争は、世界をそんな場所に変えてしまう恐ろしいものだと思った。“人間”が“敵”に・・・。
この映画を通して、深く考えさせられ、今の世界の現実を知った。こういった映画はこれからもたくさん作られるべきだと思うし、たくさんの人に観てもらいたい。若者の政治に対する無関心さなどは日本でも言えることだろう。自分も確りと日本の政治、世界の政治に目を向けないといけないなと思った。そして、“何か”をしなければいけない。まず、戦争の意義について考えてみよう。『大いなる陰謀』は非常に強い力を持った映画だった。
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