ノーカントリー (2007)
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さすがコーエン兄弟
2008/03/16
by
HJ
老保安官と若い保安官が朝食を食べるシーンの会話で、
嫌な事件を聞いた若い保安官が思わず笑ってしまう。
所詮は他人の身に起こった事件で、第三者からすれば面白可笑しくしか聞こえない。
この保安官に今の世相が映し出されているみたいで、
社会で起こる様々な事件も、数の多さとその異様さの方に思わず笑ってしまうのかな。
原題は老人だけに対するものに解釈しがちだけれど、
人間は誰もが老いてしまうということを念頭において考えさせる映画だ。
序盤で脚を怪我した野犬が象徴的に描写されるが、
笑っていた若い保安官もいずれ老いてしまうということ。
トミー・リー・ジョーンズは終始気の弱そうな目の演技を一貫させ、
絶えることのない犯罪に諦めの境地を表現していた。
俳優の目は演技する際の大きなポイントだけど、
トミー・リー・ジョーンズという俳優は目の使い方がとても巧いなと思う。
ロジャー・ディーキンスの撮影も見事な職人芸を見せてくれる。
狩の対象になる動物の群れに雲の影が迫る描写など上手いなと思う。
「ジェシー・ジェイムズの暗殺」では遊び心たっぷりの撮影を見せてくれたが、
「ノーカントリー」では、人間の中に潜む感情や、
想像のつかない人物を影の中に落とし込む映像で見事に表現していた。
視覚的な結末ばかり望む人には楽しめない映画だろうけど、
じっくり見ることの出来る人にとっては見応えのある傑作じゃないかな。
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