エリザベス:ゴールデン・エイジ (2007) »レビュー

国を治める重圧

80点 2008/07/16 by のびた

エリザベス:ゴールデン・エイジ

この作品だけでも、十分楽しめるが、前作を観ていると、更に深いドラマを堪能できる。

頭をエリザベスに叩かれながらも、一心に尽くす、ウォルシンガルの忠誠振り。

ウォルターとベスを自分の前で無理やり踊らそうとするエリザベス。ポルタ?ポルテ?というダンスは、一作目で自分が愛するロバートと踊ったもの。前作での2回のダンスシーンは、心の変化が如実に現われていて、興味深いものがあった。
そんな想いが胸に去来する。

さて、歴史の知識が薄い僕だが、過去の戦争に於いて、宗教が絡んでいるものは数えきれず、この時代のイングランドでも、新教と旧教が禍のタネとなっている。人の心を救うものこそ宗教ではないかと思うのだが、権力争いに利用されているのか、多くの民の心を苦しませる結果になっている。
そんな中でもエリザベスは「罪を犯した者は処罰するが、犯さぬ者は保護をする。行いで民を罰しても、信念では罰しない」、と言って君主として中庸の道を選び、カトリックを弾圧しようとはしなかったという。(パンフレットより)

宗教による争い事に、心を痛めていたに違いない。

この作品は、いくつもの見応えのあるシーンがある。僕が好きなのは、ウォルターが航海中の心境をエリザベスに語るシーン。その話にすっかり心奪われている、ケイト・ブランシェットの表情が素晴らしい。

燃え上がる海を見つめるエリザベス。
画的に良かった。

カメラも結構遊んでいる。俯瞰のショットも多用し、悲愴感あふれるシーンに効果があった。画面の8割位が壁?に覆われて、押しつぶされそうなエリザベスを映し出してもいた。カメラがぐるっと回って、途中で小さな穴から、被写体を捉えるシーン。これはどういう意味があったのかな?

時代の荒波にもまれながら、登場人物の誰ひとり、のほほんと生きている人はいない。すべての人が苦悩し、近親者の死に嘆き、人を助けられなかったことに心苛む。女王を中心とした、そんな時代の息使いが生々しく伝わってくる作品だった。

 

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