バンテージ・ポイント (2008)
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映画の可能性はまだ広がる
2008/03/22
by
りんぼ
結構役者目当てで見ようと思う映画もあるわけで、この映画は「LOST」のマシュー・フォックスが目当てでした。この映画での彼の役どころはなかなか重要で満足出来るものでした。それ以上に内容の面白さにぐっと引き込まれた映画でもあります。
役者陣でいうと、デニス・クエイド初め、シガニー・ウィーバーやウィリアム・ハートなど、全体的に豪華な配役です。
しかし、この映画の売りは役者ではない。この映画は実に「新しい」と思わせる要素がある。こういうアイデアは過去の作品に全く無かったわけではないが、ここまで突き詰めて構成したからこそ新しさが生まれる。そして、それが作品の中で存分に生かされている。
映画は削除することによって出来るという部分があるが、この映画のシェイプアップのやり方は実に大胆だ。実は説明されていない側面がかなり沢山ある。事件の背景や人物の背景。本来なら映画を盛り上げるのに使える要素もここでは敢えて切り落としてしまっている。それが気にならないのはこの展開の速さ故だろう。このスピードにより見えない部分に気を回す時間が全く無いのだ。
しかし、必要な情報が描かれていないわけではなく、台詞の一つ、小道具の一つで多くを説明してしまっている。その辺りが実に小気味良い。
また、展開の緩急の付け方が上手い。繰り返し迎えるクライマックス。これが完全に時間軸に沿って描いていたらかなり平板なものとなっていただろう。それをこのように視点を変えるという方法で見せると、何度も見せ場が生まれるのだ。これはある意味効率の良いやり方かもしれない。
何にしてもアイデア賞ものの作品だ。見れば誰しも納得の行く内容だろう。背景にある問題は今のアメリカ抱えている現実なわけだが、それ自体は映画の中心には無く一要素に過ぎない。だから、人物の背景にやや希薄さを感じてしまうのも事実だろう。そういった部分もあるが、それを補って余りある見所が詰まっている。
またアイデアはアイデアだけでは駄目で、それを練りこむ過程がしっかりとあって出来ているだろう。
仮にこの映画を再構成しなおして平凡に編集したらどうなっていただろう? そう考えると映画のを面白くする要素というものが見えてくる。
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