いつか眠りにつく前に (2007)
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娘へと繋ぐ物語
2008/03/02
by
りんぼ
この映画のメインの観客層は中高年の女性だろうか? しかし、韓流のようなメロドラマとはまた違う。この映画の人生観はかなり普遍性があり、苦い思い出のある人には共感が出来る内容だ。
誰しも拭いきれない後悔の思い出というものはある。時にそれが人生そのものを変色させてしまう場合もある。そして、多くの人にとって後悔はグレーゾーンだ。あの時こうしていたらは結局はIFの世界であり意味が無い。特にこの映画のグレーゾーンは大きい。それは子育てが大きく関わったりする。この曖昧な不安は常に人に付いて回るのだが、それを死の直前という状況で語るのが効果的だ。誰でも迎える死というものの前にこの問題はより大きく鮮明になる。自分は生きて何をしたのだろうということを考えるのは、一面で恐ろしいことではないだろうか?
この映画は役者目当てで見ても面白い。色々な意味で豪華キャストだ。この女優陣を見に行くだけでも良い一本でもある。
特に親子競演が面白い。片や同一人物の若き日と晩年。もう一方は実際の親子役だ。これがなかなか効果的に使われている。時代を経て同じ人物を親子で演じるというのは他の映画でもあるが、この映画は特にその辺が話の中心であるから、丁度良いのだ。正に時代を経た感覚というのを視覚的に理解出来る。また、実の親子故の関係というものもある。この映画はこの親子関係も重要な要素の一つなので、正にうってつけだっただろう。
かなりファンタジックな面やミステリアスな面もあって意外性があった。意識が朦朧とした中での幻想の場面はとても美しいし、同時に彼女が子育てで直面する厳しさもリアリティがある。
彼女の半生を描くのに、このように場面をピンポイントで表現しているのが上手い。この辺が無駄のない繋ぎ方をしているのだ。
案外、自分の母親の過去というものは知らないものだったりするだろう。それがこのような回想の形で明かされていくので判り易い。彼女の拭い難い後悔も、普通の人生を送っている人なら多少似た経験をしているものではないだろうか? そして、この映画は彼女の半生を描くことを結論としていない。彼女の人生からその娘の人生へとしっかりと引き継いでいくものがある。ここまで描くからこそ、しっかりとした普遍性を持つのだ。
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