つぐない (2007)
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イギリス映画の真骨頂
2008/04/27
by
レクター博士
イギリス映画らしい、時に冷徹な視線で人間を見据える映画だ。
「悲劇」を好む、とは言わないが、これからこの映画を観ようか、とお考えの方には極端な例で参考としては適さないが「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「日陰のふたり」が好きな私には甘露な作品だった。
13歳のブライオニーと、最後のシークエンスのヴァネッサ・レッドクレイヴとのシンクロ率は120%! 驚きである。そしてロビーの母親役はマイク・リー監督「秘密と嘘」のブレンダ・ブレッソン(ブレッシンとも)だ。
最近ではちょっとないモンタージュが面白く、音楽とのシンクロ率も高い。ロビーが手紙をタイプするシーンではプッチーニの「ラ・ボエーム」のレコード、第一幕後半(「ラ・ボエーム」は確実だが、本当に第一幕後半かどうかは未確認。「冷たい手を」の後のシーンと思われる。カレーラスとリッチャレリのCDやコベント・ガーデン・ライブ映像が行方不明なので)を聴く所は秀逸。ボエームの結末を知る者には。そしてドビュシーの「月の光」も流れる。良いですな。
海岸からの撤退のシーンはダンケルクと思われる。ステディカムがちょっとシツコイが見応え十分。
今年の1/3が過ぎようとしているばかりではあるが、本年のベスト・テン上位候補には確実に挙がる作品である。是非ご覧あれ!
4人がこのレビューに共感したと評価しています。
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Re: イギリス映画の真骨頂
2008/06/05 by
クラリス2号
レクター博士さま
こんばんは。
こちらにレスさせていただきます。
>イギリス映画らしい、時に冷徹な視線で人間を見据える映画だ。
仰るとおりだと思います。
映像芸術を堪能することができました。
原作「贖罪」にも感動し、ブライオニーの痛みがさらに深く迫ってきました。
さて、「ダンサー・イン〜」ですが、DVDで改めて観ました。私の文章力ではレビューを書くのは難しくパスします(笑)
ただ「聖女セルマ」という言葉が頭に浮びます。(テーマを間違っていたら、ご指摘ください。)楽曲『私のお気にいり』は聞いていてつらく、たぶん涙しない方はいないでしょう。でも『ニューワールド』に、私は救われました。
以前、観た時は、ビョークファンだっただけに、感情が先走ってしまい私の眼が曇っていたようです。
ジョエル・グレイのタップが見れて嬉しかった(笑)
また、いろんなことをお教えいただければ幸いです。 -
「聖女セルマ」への考察
2008/06/05 by
レクター博士
クラリス2号さま。
しまった! ジョエル・グレイのタップだったか。裁判所のシーンですね。ロードショー時に「何処かで観た人だなあ」と思いましたが、特に調べませんでした。「キャバレー」ですね!
>ただ「聖女セルマ」という言葉が頭に浮びます。
そう、キリスト教的には「愚か者」は「聖者」と同義に扱われる事がある様です。
ワーグナーのオペラ「パルシファル」(パルジファルとも表記される)のパルシファルがそうです。知恵が無い者=無垢なる者。それが次第に聖者としての本質を顕わす話です。
私には「ダンサー〜」のセルマは、十字架上のイエスと同義、とも解釈されると思うのです。ある意味「知恵」というのは、マイナスに働く事象があるのです。それは「愚かな人間」が扱うから、なのかもしれませんね。
穿った見方でしょうが、そんな事を愚考しました。 -
Re: イギリス映画の真骨頂
2008/06/06 by
クラリス2号
レクター博士さま
早速のレスをありがとうございます。
はい!「キャバレー」です。(笑)
子を持って改めて観ると一層辛く思えましたが、深く感動しました。
>私には「ダンサー〜」のセルマは、十字架上のイエスと同義、とも解釈されると思うのです。
やはりそうでしたか(笑)
実は、私も一番にそう思いました。警察官に逮捕される場面や、彼女の最後を見た周りの人間の悲しみ方がそう感じさせたのかもしれません。
ただ、私には、そこまで言ってしまっていいのか勇気(?)がなくて、二番目を申し上げてしまいました。根性なしをお笑いください。(笑)
レクター博士の芸術への造詣の深さは、他のレビューでも拝見させていただいております。
また、ご指導くだされば嬉しく思います。
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