ラスト、コーション (2007) »レビュー

アジア的映画

100点 2008/05/04 by lum

ラスト、コーション

 私はスパイ映画は好きで、特に女性スパイに映画は好きで、作品の出来不出来は私的、緊張感があるか、ないかです。敵の懐に飛び込み、いつばれるかわからず、失敗すれば死。主人公ワンは政府要人の暗殺することが使命、でも暗殺する相手に惹かれていく..ここまではよくある話だし、大抵は男女のロマンスで終わることが多い中で、彼らの立場にならなければわからない心情が描かれていました。誰も信じられず、死と隣り合わせの反動か、この時ばかりは欲情をむき出しにしとばかり、激しく愛し合っていく。それは暴力であっても、そうしか愛情表現が出来ないのだから,..そのせいか、二人のラブシーンは美しいと同時に、運命の悲しさというものが感じました。トニーが演じた冷徹な男イー。老けたメイクといい、今までにない彼の表情といい、特に冷たくも悲しい目に吸い込まれていきました。ワンを演じたタン・ウェイは、クァンに惹かれ、彼の影響で抗日運動を始めた当時はあどけない少女でも、イーと関わっていくうちに一人の女性として変貌しき、体当たりの演技もあっぱれ!です。
 任務遂行のため、暗殺実行しなくてはならない。複雑な感情の間でとった彼女行動は、「逃げて」と。事実を知り愕然としたイーが下した判断は処刑。それは生き抜くためしなくてはならない決断。ラストなんとも言えない虚しさを感じました。美しい映像は、激動な時代の男女の愛と虚しさをより表現しているかのようでした。

 観終わった後、ネットで観たら、二人にラブシーンが問題になっていることに驚きましたね。

「Lust」とは仏教語で「欲情」、「Caution」は「戒め」、「Lust Caution」とは、「自分の欲情を戒めなさい」
原題は「色/戒」。「色」とは「感情」、「戒め」とは中国語で「戒指」

と意味を持つタイトルにはシーンこそはなくては、この映画を語ることはできないと思います。

 インフィナル.アフェア同様、上記のタイトルの意味もそうだし、、主人公はアジア的だし、、これはアジアでしか作れない映画だと思いました。

 

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